信越化学工業、2500億円の自社株買いを決定、27年3月期予想は未定
信越化学工業は潤沢な手元資金を活用し、2026年3月期に続いて追加の株主還元に踏み切る。最大2500億円、4500万株を上限とする自社株買いを実施する一方で、2027年3月期の業績見通しは事業環境の不透明さを理由に開示を見送る。
ハイライト
- 信越化学工業は発行済み株式数の2.4%にあたる上限4500万株・2500億円の自社株買いを実施すると発表した。
- 2026年3月期連結決算で売上高2兆5739億円(前期比微増)、純利益4744億円(11%減)、塩化ビニール樹脂価格下落が収益を圧迫した。
- 2027年3月期業績予想は未定だが、QUICKコンセンサスでは純利益5353億円(13%増)と2期ぶりの増益が見込まれている。
自社株買いの規模と決算の内容
日経の報道によると、同社は4月28日に発行済み株式数、自己株式を除く、の2.4%にあたる4500万株を上限とする自社株買いを発表した。3月末時点の現預金は1兆6600億円で、2026年3月期に実施した5000億円の自社株買いに続き、資本効率と株主還元を重視する姿勢を示している。
同日発表した2026年3月期の連結決算は、売上高が前の期比で微増の2兆5739億円、純利益が11%減の4744億円となった。住宅配管などに使う主力の塩化ビニール樹脂の価格下落が収益を押し下げた。
半導体材料需要と原料市況が次期の焦点
2027年3月期の業績予想について同社は、予想を合理的に行うことは難しいとして未定とした。一方で、半導体材料のシリコンウエハーは人工知能、AI、市場の拡大を背景に、先端分野で底堅い需要が続いている。中東情勢の緊迫を受けて、塩ビ原料に使うナフサは世界的な調達難が続く。ただ、同社は塩ビの大半をU.S.で生産し、原料も現地調達しているため、供給制約の影響を受けにくく、市況上昇の恩恵を得やすい構造にある。市場予想の平均であるQUICKコンセンサスでは、2027年3月期の純利益は前期比13%増の5353億円と、2期ぶりの増益が見込まれている。
当社の以前の記事では、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を背景にナフサの供給懸念が広がり、医療物資や化学産業への波及が政策課題になっている点を整理しました。政府は調達改善の見通しに言及する一方、厚生労働省・経済産業省が代替製品の確保を進めており、原料調達の進展がサプライチェーン安定のカギになるとお伝えしました。
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