日銀、円安対応へ利上げ加速が必要と中尾武彦氏が指摘

日銀、円安対応へ利上げ加速が必要と中尾武彦氏が指摘
円安加速と日銀対策

人民元が対ドルで約3年4カ月ぶりの高値を付ける一方、円は1ドル=160円台後半の安値圏で推移し、通貨間の対照が鮮明になっています。日銀が16日に政策金利を1%へ引き上げた後も円売り圧力は収まらず、日本の購買力低下への懸念が強まっています。

ハイライト

  • 中尾武彦氏は日米金融政策の差を円安の主因とし、日銀に利上げペース加速の必要性を指摘。
  • 人民元は16日に対ドルで1ドル=6.75元台、約3年4カ月ぶりの高値を記録し、中国の輸出好調と地政学的リスク後退が影響。
  • 人民元決済増加で国際化が進むものの、中尾氏は資本規制問題から人民元のドル代替には疑問を表明。

金融政策の差と円安の見方

日本経済新聞によると、元財務官で国際経済戦略センター理事長の中尾武彦氏は、ラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「NIKKEIで深読み 中国経済の真相」で、現在の円安は国民にとって損失だと強調しています。中尾氏は、円安の主因として日米の金融政策スタンスの違いを挙げ、日銀のインフレ対応は後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」になっているとの認識を示しています。

中尾氏は、円の弱さを日本の実力だけで説明する見方に否定的で、金融政策の差がより大きいと述べています。そのうえで、米連邦準備理事会、FRBの利上げ姿勢が続くなか、日銀は利上げのペースを速める必要があるとみています。

人民元上昇の背景と通貨秩序への示唆

人民元は16日に対ドルで1ドル=6.75元台まで上昇し、約3年4カ月ぶりの高値を付けています。中国の好調な輸出が元買いを支えているほか、U.S.とイランが戦闘終結の覚書を交わしたことで、「有事のドル買い」の巻き戻しが起きていることも背景にあります。

原油取引などで人民元決済が増えていることは、中国が進める人民元の国際化に追い風となっています。ただ、中尾氏は、人民元がドルを代替するかには大きな疑問があるとみています。中国にはなお資本規制があり、人民元を自由に貸し借りできるという国際通貨の前提が整っていないためで、円の地盤沈下懸念とは別に、基軸通貨の交代にはなお壁があるとみられています。

FRBの新体制下で初めて開かれたFOMCでは、声明文が大幅に簡素化され、将来の政策見通しに関する文言も削除されました。私たちの以前の記事では、こうした情報発信の抑制により政策意図の読み取りが難しくなり、為替や金利の変動性が高まって日本市場や投資家心理にも影響が及ぶ可能性を指摘しました。

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