訪日需要の取り込みを金融と決済の連携で広げる動きが、東南アジアの富裕層市場で本格化する。三菱UFJ銀行とJCBはASEANで高額消費層向けクレジットカードサービスを始め、日本国内のJCB加盟店や関連サービスへの送客につなげる。
ハイライト
- 三菱UFJ銀行とJCBはASEANの富裕層向けクレジットカードを協業し、2023年10月インドネシアで発行開始、2027年からタイにも拡大する。
- 新カードは高級レストラン優先案内や医療宿泊サービスと連携し、日本全国のJCB加盟店での利用促進を狙う。
- JCBは6月から訪日客向けアプリを台湾会員に提供開始し、今後アジア各国に拡大して送客基盤を強化する方針。
ASEAN展開の枠組みと提供計画
日本経済新聞によると、三菱UFJ銀行とJCBは6日、インドネシアなど東南アジアの富裕層向けにクレジットカードサービスを提供すると発表した。三菱UFJ銀行と連携する現地の金融機関がJCBブランドで発行し、日本の優待情報を発信して訪日消費を取り込む。
両社は同日、ASEANでの協業に合意した。三菱UFJが出資するインドネシア大手銀行のバンクダナモンが10月にも提供する予定で、2027年からはタイのアユタヤ銀行で発行し、さらにベトナムとフィリピンにも広げる。
JCBは新カードを富裕層向けの最上位商品に位置づける。予約が難しい高級レストランへの優先案内に加え、観光、医療、宿泊など幅広い日本企業のサービスと結びつけることで、地方を含む全国のJCB加盟店で利用拡大を狙う。
訪日消費拡大への波及効果
JCBの二重孝好会長兼社長は会見で、決済を起点にサービスをつなぎ、日本の魅力を東南アジアを含む世界に届ける大きな循環をつくっていくと述べている。今回の取り組みは、カード発行にとどまらず、訪日前から訪日中まで消費接点を囲い込む戦略の一環とみられる。JCBは6月から訪日客向けアプリの提供も始めており、アプリ内でグルメなどの旅行情報を発信している。利用対象はまず台湾の会員に限定しているが、今後は韓国、タイ、インドネシア、フィリピンの顧客にも広げ、東アジアと東南アジアで送客基盤を拡充する方針だ。
当社の以前の記事では、日本IBMと三菱UFJ銀行など4社が、勘定系システム刷新を含む金融システムの開発・運用・保守にAIを組み込む方針を示した点を取り上げました。AIによる運用自動化や開発生産性の向上を通じて、金融機関の業務負荷軽減とシステム更新の迅速化を目指す枠組みとして整理しています。
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