神戸製鋼、スクラップ溶解炉の導入検討で製鉄CO2削減へ

神戸製鋼、スクラップ溶解炉の導入検討で製鉄CO2削減へ
神戸製鋼CO2削減へ

鉄鋼業界で脱炭素投資の選別が進むなか、神戸製鋼は鉄スクラップを活用した新たな製鋼設備の導入検討を始める。想定投資額は1000億円規模で、正式導入の可否は2027年度以降に判断し、実現すれば鉄鋼事業の年間CO2排出量を5%弱減らせる見通しだ。

ハイライト

  • 神戸製鋼所は鉄スクラップを利用するスクラップ溶解炉の導入を検討開始、年間70万トン生産能力、投資額は1000億円規模。
  • 2027年度以降にスクラップ溶解炉か大型電炉導入かを正式決定予定、CO2排出削減と投資効率の両立を模索。
  • 日本製鉄は8687億円投資し3拠点に300万トンの電炉新設、JFEスチールも3294億円で高炉を大型電炉へ転換し2028年度稼働予定。

導入計画の規模と製造方式

日本経済新聞が報じた内容によると、神戸製鋼所は18日、鉄スクラップを溶かして鋼材をつくるスクラップ溶解炉の導入に向けた検討を開始したと発表している。高炉由来の銑鉄と組み合わせて使うことで、電気でスクラップを溶かす工程を取り入れ、CO2排出量の削減につなげる考えだ。

想定する年間生産能力は70万トンで、投資額は1000億円規模となる。スクラップ溶解炉では鉄スクラップを電気で溶かして溶銑にし、その後に高炉経由の溶銑と混ぜ合わせ、鉄の成分を調整する転炉で精錬する。従来の電炉では難しいとされてきた高級鋼の製造も可能としている。

神戸製鋼は正式導入するかどうかを2027年度以降に意思決定する方針だ。これまでは温暖化ガス排出量が少なく、精錬までを一貫して担う大型電炉の導入も検討してきたが、今後はスクラップ溶解炉と電炉のどちらを採用するか見極めていく。

脱炭素投資の慎重姿勢と業界動向

同社は、米国を中心に脱炭素を巡る逆風が強まるなかで、大型投資を伴う電炉導入の判断を先送りしている。スクラップ溶解炉は、高炉を一定程度活用しながら排出削減を進める選択肢として位置づけられ、投資効率と製品品質の両立を探る動きとみられる。

鉄鋼大手各社は生産プロセスの電炉化を進めている。日本製鉄は8687億円を投じ、九州製鉄所八幡地区など国内3カ所に計300万トンの年産能力を持つ電炉を新設し、2028〜2029年度に稼働させる計画だ。JFEスチールも3294億円をかけ、西日本製鉄所倉敷地区の高炉を年産200万トン規模の大型電炉に転換し、2028年度の稼働を計画している。

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