ユーロ圏のインフレ率は10月に4%へ加速し、3年超ぶりの高水準に達した。欧州中央銀行(ECB)が再び利上げするとの観測も強まっている。主にエネルギーコストの上昇が押し上げ、消費者物価の上昇率はECBの目標である2%の2倍となった。政策当局者は、イラン紛争が経済に及ぼす影響を見極めている。
ハイライト
- ユーロ圏のインフレ率は10月に4%となり、ECBの目標の2倍に達した。
- コアインフレ率は2.5%を維持し、サービスインフレ率は3.3%に上昇した。
- 市場は12月のECB追加利上げを予想している。
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Eurostatのデータによると、21カ国で構成される通貨圏の消費者物価は前年同月比4%上昇し、9月の3.8%から伸びが加速した。市場予想と一致した一方、エネルギーなど変動の大きい項目を除くコアインフレ率は2.5%にとどまったとBloomberg が報じた。サービスインフレ率は小幅に上昇し、3.3%となった。
エネルギーコストでインフレ率、3年ぶり高水準に
10月のインフレ率は2023年9月以来の高水準となった。2月に米・イラン戦争が勃発して以降、エネルギー価格の上昇が続いていることを反映している。これによるショックで欧州全域の家計負担が増したが、より広範なインフレ指標の上昇は大幅に抑えられている。
総合インフレ率とコアインフレ率の差は、金融政策を考えるうえで特に重要だ。今回の上昇はエネルギー価格が主因だが、基調的な物価圧力は比較的抑制されている。企業がコストショックの全額を他の商品やサービスに転嫁するには至っていないことを示唆する。
ECB当局者は、エネルギー価格の高騰が長期化すれば、最終的に賃金交渉や企業の価格設定に影響を及ぼしかねないと懸念している。賃金に関する内部指標は、2027年の賃金上昇ペースが鈍化する可能性を示しており、積極的な金融引き締めを長期化させずにインフレが鈍化するとの見方を支えている。
ECB当局者、12月の追加利上げを示唆
ECBは今年前半に2度の利上げを実施した後、10月に預金金利を2.5%に据え置いた 。ただし政策当局者は、今回の据え置きは金融引き締め局面の終了を意味するものではないと示唆している。
ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は、インフレリスクが続けば中銀は対応しなければならないとの立場を維持している。ドイツ連邦銀行のヨアヒム・ナーゲル総裁も、インフレ見通しが改善しない限り、12月に追加利上げが必要となる可能性を示している。
金融市場は、経済成長とインフレの見通しをより明確に評価できる最新の経済予測が公表される12月会合で、次の政策変更があると見込んでいる。投資家は、預金金利が2027年中に3%以上に達する可能性を織り込んでいるが、ECBは利上げの終盤に近づいているとみるエコノミストもいる。
借入コスト上昇で試されるユーロ圏の底堅さ
ユーロ圏経済は、エネルギー価格の上昇や米国の関税、フランスの政治的不透明感にもかかわらず、これまで予想以上の底堅さを示している。第3四半期の経済成長率は予想を上回り
それでも、追加利上げは、すでに高いエネルギー料金に直面する家計や企業の資金調達コストを押し上げる。世界的な国債利回りの上昇や、冬を前にした天然ガス在庫の少なさも、さらなる圧力となり得る。
したがってECBの12月の判断は、エネルギーインフレが賃金やサービス価格に波及し始めるかどうかに左右される。コアインフレ率が2.5%を維持するなか、政策当局者は物価上昇が長引くリスクと、金利上昇が経済成長を不必要に弱める可能性との間で、難しいかじ取りを迫られている。
先に、コスト圧力が強まるなかで10月のユーロ圏製造業の成長が鈍化 したと報じた。
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