農地の上で発電と農業を両立させる営農型太陽光発電を巡り、農林水産省が規制の見直しを進める。生産実態が乏しい事業を排除する狙いで、設備基準の新設と審査、監督の強化を2027年から始める予定だ。
ハイライト
- 農林水産省は農産品生産が見込めない営農型太陽光発電事業者への許可を厳格化し、高さ3メートル以上・日射遮蔽30%未満など新基準を導入。
- 2ヘクタール超のメガソーラーも現地調査や審査の監督対象に追加され、自治体と国が連携して運用監督を強化。
- 2023年度末で営農型太陽光案件のうち24%が営農に支障をきたしており、制度厳格化により再エネ導入と農地利用両立への影響が注目される。
設備基準と認定審査の見直し
日本経済新聞によると、農林水産省は23日、営農より発電を優先する事業者への取り締まりを強める規制見直し案を公表した。農山漁村再生可能エネルギー法の告示などを改正し、農産品の生産が見込めない場合は許可を出さない運用に改める。
新たな基準では、発電設備は農作業に支障がないよう地上からの高さを最低3メートル以上、支柱の間隔を4メートル以上とする。パネルによって遮られる日射量も30%未満に抑え、事業者にはこれらを踏まえた計画を市町村へ提出するよう求める。
市町村は、国や農地の一時転用許可を出す都道府県などと協議して計画を審査する。営農の継続が見込めないと判断した場合は、計画を認定しない。
既存案件の監督強化と業界への影響
既存事業者への監督も強まる。国が地方自治体と一体で審査や現地調査を実施する対象は、これまでの4ヘクタール超から、メガソーラーにあたる2ヘクタール超へ広がる。都道府県などが勧告や命令を出す基準も明確にし、農業の実態がない事例は厳しく取り締まる方針だ。農業は自家消費ではなく販売目的で取り組むよう求め、発電事業偏重の案件を抑制する。
営農型太陽光発電は、農地に支柱を立ててパネルを設置し、農業を続けながら発電も行う仕組みを指す。2023年度までの累計導入面積は約1360ヘクタールで、2023年度末時点では営農に支障があった案件が約5200件のうち24%に上っており、制度の厳格化は再生可能エネルギー導入と農地利用の両立を改めて問うことになる。
当社の以前の記事では、日本版排出量取引制度「GX-ETS」の始動により、一定規模以上のCO2排出企業に削減が求められ、排出枠取引の広がりが企業戦略に与える影響が注目されている点を整理しました。排出枠の流動性や価格設定といった制度設計が、排出削減コストの見える化や投資判断を左右し得ることも論点として挙げています。
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