日本とベトナムの首脳はハノイで会談し、中東情勢を踏まえた原油と重要鉱物の安定確保で連携する。経済安全保障や科学技術も優先協力分野に位置づけ、エネルギー、AI、通信、農業など幅広い案件を進める。
ハイライト
- 日本とベトナム首脳は原油・重要鉱物確保で協力合意し、エネルギーや人工知能、宇宙・通信など含む覚書を交わした。
- 「パワー・アジア」初案件としてベトナム・ニソン製油所の原油調達を日本貿易保険(NEXI)が支援する方針で一致した。
- レアアース供給網強化やアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)での脱炭素15案件推進が、日本の調達多角化と経済安全保障強化に直結する。
資源調達支援と協力枠組み
日本経済新聞によると、高市早苗首相は2日にハノイでベトナムのレ・ミン・フン首相と約50分会談し、原油やレアアースなどの重要鉱物の確保に向けた協力で一致した。両首脳は経済安全保障と科学技術で優先して連携する分野を定め、宇宙、通信、農業を含む覚書を交わした。対象にはエネルギー、重要鉱物、人工知能も含む。
両国は、アジアの資源供給協力の枠組み「パワー・アジア」の初案件として、ベトナム北部のニソン製油所による原油調達を日本貿易保険(NEXI)を通じて支援する方針でも一致した。高市首相は、自由で開かれたインド太平洋の実現と進化に向け、両国連携で地域をさらに強く豊かにしたいと述べている。
脱炭素連携と地域への波及
日本と東南アジアが脱炭素で協力する「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」を巡っては、エネルギー分野の15案件の早期実施を目指す。資源確保と脱炭素協力を並行して進める構図が鮮明になっている。ベトナムはレアアースの有力な埋蔵国で、供給網強化に向けた官民協力は日本の調達多角化にとって重要性が高い。中東情勢の不確実性が続くなか、東南アジアとの資源・エネルギー連携は、日本の産業基盤と経済安全保障を支える取り組みとして位置づけられる。
当社の以前の記事では、ホルムズ海峡の混乱で東南アジアの原油調達が不安定化するなか、日本がベトナムの供給安定を後押しする動きを整理しました。具体的には、政府要請を受けた出光興産がホルムズ海峡を回避する航路で約400万バレルの中東産原油をベトナムに供給し、エネルギー確保と製造業サプライチェーンのリスク低減につなげる狙いを示しました。
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