G7が先端AI対応の具体策協議へ、日本は6月サミットで金融リスク対策を詰める

G7が先端AI対応の具体策協議へ、日本は6月サミットで金融リスク対策を詰める
G7がAI金融対策協議

パリで開幕したG7財務相・中央銀行総裁会議では、先端AIが金融システムに及ぼすサイバーリスクへの協調対応が主要議題に浮上している。6月中旬にフランスのエビアンで開く首脳会議に向け、日本は具体策の取りまとめを急ぐとともに、中東情勢の悪化が金利や物価、物流に及ぼす影響も議論している。

ハイライト

  • G7財務相会議が19日に共同声明を調整、6月サミットで先端AIによる金融リスク対策の具体策を協議へ。
  • 中東情勢悪化でホルムズ海峡が実質封鎖、18日新発10年物国債利回りは一時2.8%と約29年半ぶり高水準を記録。
  • 18日の東京市場で円が一時1ドル159円08銭近辺まで下落、4月以降で最安値を更新し為替介入議題化は見送り。

先端AIとサイバーリスクの協調対応

日本経済新聞によると、片山さつき財務相は18日、日本時間19日にパリで記者団に対し、先端人工知能について「G7で協調対応することで一致した」と述べ、6月の首脳会議に向けて具体策をまとめる考えを示している。G7財務相会議は同日に始まり、19日に共同声明を取りまとめる方向で調整している。

議論では、U.S.新興企業Anthropicが開発した「Claude Mythos」を念頭に、新型AIによる金融システムへのサイバー攻撃リスクへの対処を扱っている。片山財務相は、専門家も交えてサイバーリスクの状況把握と対応策を共有し、G7として具体策を詰めていくとしている。

4月にワシントンで開いた前回の財務相会議では共同声明を見送っており、今回は6月の首脳会議で一定の成果につなげられるかが焦点になっている。金融行政の分野では、生成AIの高度化が市場インフラや決済網に与える影響を各国が共通課題として認識していることがうかがえる。

中東情勢が市場と政策対応に波及

会議では中東情勢について、世界経済への影響が4月時点の見通しより悪化しつつあることを前提に議論している。ホルムズ海峡は事実上の封鎖が続いており、片山財務相は肥料供給網への対応の必要性を説明し、肥料を運ぶタンカーの優先通航を含む「肥料回廊」の検討案も出ていると明らかにしている。

市場面では、18日の国内債券市場で新発10年物国債利回りが一時2.8%まで上昇し、約29年半ぶりの高水準を付けている。片山財務相は、各国の債券市場でも金利上昇が起きているとしたうえで、中東情勢が背景にあるとの認識を示し、投機的な動きへの警戒も示している。

国内では物価高対策の検討も進んでいる。高市早苗首相は18日、2026年度補正予算案の編成も視野に財政措置の検討に入ったとしており、7〜9月の電気・ガス代補助などを見込んでいる。

為替市場では18日の東京市場で円相場が一時1ドル159円08銭近辺まで下落し、4月30日の日本政府・日銀による円買い介入以来の安値を付けている。片山財務相によると、今回のG7会議で為替介入自体は議題になっていないが、投機筋の動きが続く中で必要に応じて適切に対応する姿勢を示している。

当社の以前の記事では、中東危機の長期化を背景にパリで始まったG7財務相・中央銀行総裁会議について、原油や肥料の安定供給、代替調達を軸に共同声明の取りまとめを目指す動きを整理しました。あわせて、ホルムズ海峡の封鎖継続が世界成長率見通しや食料安全保障に与える影響、さらに新型AIによる金融システムへのサイバー攻撃リスクも議題に浮上している点を取り上げています。

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