エーザイ、29年3月期までに成長投資1兆円、新薬候補取得を拡大
エーザイは2029年3月期までの3カ年計画で、研究開発と外部からの新薬候補の取得に総額1兆円規模を投じる方針を示した。主力の抗がん剤「レンビマ」の特許切れを見据え、がんや神経領域で収益源の多様化を急ぐ。
ハイライト
- エーザイは2029年3月期までに研究開発と外部導入に各5000億円、計1兆円の成長投資を実施する計画を発表。
- 主力製品レンビマの特許切れで2029年3月期売上が2026年3月期比27%減の2500億円を見込む一方、レカネマブ等の販売増で売上収益は1兆円を計画。
- 資金調達方法を拡大し2年間で3000億円の社債発行を予定、調整ROICは2029年3月期に9%を目指す方針。
3カ年投資計画の中身
日経の報道によると、同社は自社での研究開発と外部からの新薬候補のライセンス取得などにそれぞれ5000億円程度を振り向ける。2026年3月期までの3年間は研究開発費が4993億円だった一方、新薬候補への投資はほぼなく、今後は外部導入を本格化させる。
まずは後期開発段階にあるがん領域の候補薬について、外部企業からのライセンス取得を検討する。注力分野である神経領域でも投資機会を探るほか、M&Aも視野に入れる。
同日開いた説明会で、内藤景介代表執行役専務最高執行責任者は、レンビマなど主力3薬を成長の中核とし、既存事業の着実な収益拡大を進める考えを示した。レカネマブについては、血液検査による確定診断の普及が2029年3月期に向けた成長の重要な鍵になると述べた。
特許切れ対応と財務戦略
積極投資の背景には、主力製品レンビマの特許切れがある。レンビマは欧州で2027年4月に、U.S.では2030年6月以降に後発薬が発売される可能性があり、2029年3月期の売上収益は2026年3月期比27%減の2500億円程度になる見込みだ。一方で、認知症薬「レカネマブ(製品名レケンビ)」や不眠症治療薬「デエビゴ」の販売増により、売上収益は2026年3月期比2割増の1兆円を計画する。その先の成長維持に向け、新薬候補の層を厚くする必要がある。
投資原資は、主力3薬が生み出す営業キャッシュフローに加え、負債の活用で賄う。これまで中心だった銀行からの短期借り入れに加え、国内普通社債やハイブリッド債、外貨建て債券へと調達手段を広げ、今年4月には18年ぶりに社債発行枠を設定した。2年間で3000億円の発行を予定し、すでに総額500億円の普通社債発行を準備している。
同社はあわせて新たな財務指標として調整ROICを導入し、2029年3月期に9%を目指す。2026年3月期の連結決算は、純利益が前の期比17%減の385億円、売上収益が5%増の8253億円で、レケンビの販売関連費用や欧州拠点の構造改革費用が利益を圧迫した。
当社の以前の記事では、Eli Lilly(LLY)の株価が主要な移動平均線を上回って推移し、強い上昇トレンドが続いている点を取り上げました。機関投資家の買い増しや、アルツハイマー領域を含む後期臨床の進展が強気見通しを支える一方、短期的には買われ過ぎシグナルによる調整リスクにも触れています。
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