日本とフィリピンは、ASEAN議長国を務めるフィリピンを軸に、経済連携と供給網の強靱化を一体で進める構えだ。中東依存の高い原油調達や重要鉱物の確保を巡るリスクが高まるなか、日本とASEANのEPA見直しに加え、日比2国間のEPA改定も視野に入る。
ハイライト
- 日本とフィリピンは日ASEAN経済連携協定(EPA)改定検討と重要鉱物・エネルギーの共同調達制度整備で合意した。
- 両国首脳はGSOMIA正式交渉開始に合意し、日本、米国、フィリピンによる安保情報共有枠組み構築につながる見通し。
- 防衛装備品の輸出制約撤廃を受けて「あぶくま」型護衛艦やTC90の提供を協議し、包括的・戦略的パートナーシップ格上げで一致した。
首脳会談で経済連携の見直し協議
Nikkeiによると、高市早苗首相は28日に東京・元赤坂の迎賓館でフィリピンのマルコス大統領と会談し、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済連携協定(EPA)の改定検討を進める。両国は中東情勢を踏まえ、重要鉱物やエネルギーを共同調達できる仕組みの整備でも協力する。
日ASEANのEPAは2008年に発効し、相互の関税を引き下げている。改定が実現すれば2019年以来で2度目となる。両首脳の会談は2025年10月以来で2回目で、フィリピンは2026年のASEAN議長国を務める。
ASEAN各国は原油の多くを中東に依存しており、とりわけフィリピンは原油輸入の9割超を中東に頼る。両国は中国によるレアアースなどの輸出規制も念頭に、有事の経済安全保障で連携し、日比2国間のEPA改定も検討する。
安保協力拡大が産業連携を後押し
両首脳は安全保障分野で、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正式交渉を始めることで合意した。機密情報の第三国への漏洩防止などを担保し、防衛に関する情報共有を進める。U.S.はすでにフィリピンとGSOMIAを締結しており、日本が加われば日米比の枠組み構築につながる。日本はフィリピンに警戒管制レーダーを輸出しており、フィリピンが取得した監視データを活用した安保協力も可能になる。
また、防衛装備品の輸出に制約を課す「5類型」撤廃を踏まえた装備品輸出も議題となった。両国は防衛当局間のワーキンググループを設け、「あぶくま」型護衛艦や海上自衛隊の練習機「TC90」の提供を視野に入れ、関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げすることで一致した。
当サイトの以前の記事では、中東情勢の緊迫を受けて日本のナフサ調達が輸入総量の縮小と調達先の分散へ同時に動いている点を整理しました。4月は中東依存度が大きく低下する一方で、米国など中東以外からの代替調達が急拡大し、化学産業ではコスト増や物流体制の再構築が課題になることも触れています。
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