14〜15日の米中首脳会談を巡り、中国側が高市早苗首相への批判報道を否定する背景に、北朝鮮問題を巡る非公表の取り決めがあるとの見方が浮上しています。京都大学総長特別補佐の酒井吉広氏は、習近平国家主席の北朝鮮訪問観測とトランプU.S.大統領の対北朝鮮外交を結び付けて分析しています。
ハイライト
- 京都大学の酒井吉広氏は米中首脳会談で北朝鮮問題に関する密約が成立した可能性を示唆。
- 酒井氏はトランプ氏が金正恩氏との会談を望み、習近平氏がその意向を伝えるため近く訪朝する可能性を指摘。
- 習氏が日中首脳会談で日本の再軍備化に強く反発し、地域安保や日中関係の今後に大きな影響を与える可能性が指摘された。
酒井氏が示した交渉シナリオ
NikkeiのラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」によると、日銀出身で現在は京都大学総長特別補佐を務める酒井吉広氏は、今回の米中首脳会談について、北朝鮮問題を巡る「密約があったと思う」と述べています。酒井氏は、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)の主任研究員などを歴任し、トランプ氏とも交流がある立場から、近く予想される習氏の北朝鮮訪問に注目しています。
トランプ氏は習氏との会談後、北朝鮮について議論したと明言していますが、具体的な内容は明らかになっていません。酒井氏は、トランプ氏が金正恩総書記との会談を望んでいるのは確実だとしたうえで、習氏がトランプ氏の意向を金氏に伝えるために訪朝する可能性に言及しています。
そのうえで酒井氏は、トランプ氏の要請の一つとして、金氏をワシントンに招く案を挙げています。これが実現すれば、習氏は対U.S.関係で一定の外交的な貸しを得る構図になります。
日中安保論議への波及
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、習氏が首脳会談で日本の「再軍備化」を問題視し、強い調子で反発したと報じています。これに対しトランプ氏は、北朝鮮の脅威が高まっていることを理由に、日本には防衛力強化が必要だとして高市氏を擁護したとされています。中国側がこうしたやり取りを否定している点については、北朝鮮問題を含む水面下の調整と整合的にみる余地があります。日本の防衛力強化を抑えたい中国にとって、北朝鮮の脅威をどう扱うかは東アジアの安全保障と外交交渉の両面で重要性を増しており、今回の会談は地域の安保環境や日中関係の先行きを占う材料としても注目されます。
当サイトの以前の記事では、日本とフィリピンがEPA改定や重要鉱物・エネルギーの共同調達を視野に、経済安全保障を一体で強化する動きを整理しました。あわせてGSOMIAの正式交渉開始や防衛装備協力の検討など、安保面の連携が産業・供給網の強靱化を後押しする構図にも触れています。
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