日経平均株価が6万円を突破し、期待先行で割高感が意識される銘柄が増えるなか、投資判断では理論株価の算定手法への関心が高まっている。理論株価の構成要素である事業価値では、将来利益を現在価値に引き直す「割引現在価値」の考え方が不可欠で、単純計算では株価を過大評価しやすい点が論点になる。
ハイライト
- 理論株価算定では割引現在価値を用い、要求利回り8%・1年後予想EPS100円の場合、現在価値は約92.5円になると解説。
- 株価過大評価リスクを防ぐため、BPSと割引EPS現価単純合算ではなく、見極め精度向上が相場過熱期に重要と指摘。
- 日経マネー2026年7月号で東証3300社超の理論株価を残余利益モデルで算出し、過大評価回避手法を特集。
理論株価の計算に必要な前提
Nikkeiによると、この解説は理論株価を投資に生かす特集の第2回として、事業価値の算出に欠かせない割引現在価値の考え方を整理している。理論株価は、BPSを基礎とする資産価値と、企業が今後稼ぐ利益に基づく事業価値の合計として捉えるのが基本になる。
資産価値は1株当たり純資産を起点に考えるが、事業価値の計算はより複雑になる。企業は継続企業を前提とするため、将来利益をそのまま無限に積み上げれば価値が無限大になってしまうためだ。
そこで用いるのが割引現在価値で、将来の利益ほど現在の価値を低く評価する。投資家は株価下落リスクを負うため、最低限求めるリターンである要求利回りを前提に、将来利益を現在価値へ割り戻して事業価値を求める。
本文では、要求利回りを8%、1年後の予想EPSを100円とした場合、その現在価値は約92.5円になると説明している。さらに先の利益ほど現在価値は小さくなり、合計した事業価値は一定の値へ収束する構造になるという。
過大評価リスクと投資判断への影響
記事は、BPSに将来EPSの割引現在価値の合計を単純に足した式だけでは、本来の価値より理論株価が高く出やすい落とし穴があると指摘している。理論株価が過大になれば、実際には割安でない銘柄を割安と判断する恐れがあり、相場過熱局面では見極めの精度が一段と重要になる。この過大評価を避ける手法として、次回は残余利益モデルを解説する予定だとしている。発売中の日経マネー2026年7月号では、東証の3300社超を対象に、残余利益モデルをベースに算出した理論株価を掲載している。
当社の以前の記事では、東証改革を背景に進んだ日本株の割安是正と、自社株買いの増加が相場を押し上げてきた流れを整理しました。さらに、低PBR銘柄の見直しが一巡しつつある中で、今後は企業の成長力をどう織り込むかが焦点となり、資金が成長株物色へ移る可能性にも触れています。
最新のTraders Trustニュース
- Forex
- Crypto