日本株、割安修正後の成長期待が次の焦点に

日本株、割安修正後の成長期待が次の焦点に
成長へ動く日本株

日経平均株価が6万円台に定着するなか、日本株の上昇余地が割安修正から企業成長へ移るかが投資家の新たな関心になっている。インフレ定着や賃上げ、企業の資本活用が進めば、金利上昇局面でも株高が続く可能性があるとの見方が出ている。

ハイライト

  • 2023年3月以降、東証改革による資本コスト重視と自社株買いの増加が日本株高の主要因となり割安是正が進展。
  • 2023年2月末から2026年5月8日までにTOPIXは92%、TOPIXバリューは117%、TOPIXグロースは69%上昇し、バリュー株が優位に推移。
  • 高市早苗政権の成長投資政策やコーポレートガバナンス・コード2026年改訂を背景に、割安修正から成長株物色への資金シフトが市場の焦点。

インフレ定着と資本改革が相場を支える

日経マネーによると、今回の議論では、これまでの日本株高を支えた主因として東証改革による割安是正期待が挙げられている。2023年3月に東証が資本コストや株価を意識した経営を要請して以降、PBR1倍割れ企業への是正圧力が強まり、自社株買いも株価押し上げに寄与している。

対談では、インフレ環境への移行も株式市場に追い風になると整理している。第一ライフ資産運用経済研究所の藤代宏一主席エコノミストは、物価上昇と賃上げの循環が始まれば、中長期で年平均7%前後という株式投資リターンの信頼性が高まるとみている。

原油高を背景にスタグフレーション懸念もあるが、日本ではその可能性は大きくないとの見方が示されている。景気過熱による急激なインフレ圧力が強いU.S.と異なり、日本の金利上昇は経済正常化の範囲内にあり、企業利益の成長期待が続けば株価は金利上昇と共存し得るという。

成長株物色への移行が次の試金石

対談では、今後の市場の焦点は低PBR銘柄の見直しから成長株への資金シフトに移るとしている。2023年2月末から2026年5月8日までにTOPIXは92%上昇した一方、低PBR銘柄中心のTOPIXバリューは117%上昇し、TOPIXグロースの69%を上回った。

この間、インフラ、建設、防衛など従来は低評価だった銘柄群でバリュエーションの見直しが進んでいる。対談では、防衛関連や建設業でPBR3倍や5倍の銘柄も出ており、企業が蓄積した資産を利益成長につなげれば、利益率が大きく改善しなくてもEPS拡大を通じて株価上昇が続く可能性があると指摘している。

高市早苗政権が掲げる成長投資政策や、2026年のコーポレートガバナンス・コード改訂も注目材料になっている。家計支援策で消費を下支えしながら、企業が現金を自社株買いや増配だけでなく設備投資にも振り向けられるかが、日本株が割安修正相場から成長期待相場へ進むうえで重要になる。

当社の以前の記事では、日経平均が最高値圏にある一方でAI・半導体の大型株に資金が偏り、小型の割安成長株は弱含む中でも再生エネルギーや資源循環、防衛関連などに個人投資家の関心が広がっている状況を整理しました。あわせて、企業価値向上を意識した自社株買いの動きや、防衛装備品の輸出規制緩和を受けた物色拡大など、テーマ別に資金の向かい先が分散している点も取り上げています。

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