政府の経済財政運営を巡る市場の受け止めが焦点となるなか、高市早苗首相は15日の党首討論で、長期金利上昇は「骨太の方針」原案が原因ではないとの認識を示した。6月30日の原案公表後には円安と金利上昇が進み、市場では財政規律や日銀の政策運営への見方に警戒が広がっている。
ハイライト
- 高市首相は6月30日示された骨太方針原案後の長期金利上昇や円安は市場ショックではなく、要因は多岐に及ぶと発言。
- 原案から財政健全化の記述が消え、日銀金融政策にも慎重表現が加わり、市場で日銀の対応遅れ懸念が強まったと指摘された。
- 首相は中東情勢への対応で予備費使用も必要時には適時実施と表明、国民生活や経済活動への影響回避を強調。
党首討論で示した金利と財政運営の見解
日本経済新聞によると、高市首相は国民民主党の玉木雄一郎代表の質問に対し、閣議決定前の骨太方針原案が市場のショック要因だとは考えていないと述べた。為替相場や金利はさまざまな要因で決まるとし、「強い経済」の重要性を訴えながら成長重視の姿勢を強調した。「骨太ショック」は、政府が6月30日に示した原案の後に長期金利の上昇や円安が進んだ現象を指す。原案では、2025年まで記述していた財政の「健全化」への言及がなくなり、「持続可能性」に置き換わっていた。加えて、日銀の「適切な金融政策運営」を「非常に重要」と位置付けたことで、市場関係者の間では、日銀が物価上昇圧力への対応で後手に回るのではないかとの懸念が広がっている。
片山さつき財務相は、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきだとして沈静化に追われている。玉木氏は首相答弁を受け、「気合と根性だけでマーケットは動かない」と指摘した。
補正対応と政治運営への波及
首相は討論で、中東情勢への対応に使う予備費にも言及し、必要な場合には国民生活や経済活動に影響が出ないよう、ためらわず適時に対応すると述べた。これは中道改革連合の小川淳也代表から予備費の使用状況を問われたことへの回答だった。一方、首相陣営による中傷動画作成を巡る報道については、「疑惑」という表現は心外だと主張した。国会出席が少ないとの批判には、要請があれば国会で答弁してきたと反論した。
参政党の神谷宗幣代表は、外国勢力の干渉を防ぐ「スパイ防止法」に関連し、国家を監視する機関の設立を求めた。これに対し首相は、通信の秘密は憲法上の基本的人権の一つであり、多くの意見を聞いたうえで慎重に対応する必要があると答えている。
今回の党首討論には、国民民主、中道改革連合、立憲民主、参政、公明、チームみらいの6党首が出席した。討論時間は通例の45分から60分に拡大され、5月以来、今国会で2回目の開催となっている。
当社の以前の記事では、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオを巡り、運用環境の変化を踏まえた点検・見直し論が政府内で意識されている状況を整理しました。厚労相が毎年度の検証と必要時の見直しに言及し、財務相も円資産を取り巻く条件変化に触れる中、市場では国債購入拡大の可能性や資産配分の波紋に注目が集まっていると伝えています。
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