イオン、3〜5月の最終黒字転換、モールとドラッグストアが収益けん引

イオン、3〜5月の最終黒字転換、モールとドラッグストアが収益けん引
イオン黒字転換の要因

イオンの2026年3〜5月期は、主力の総合スーパー事業の採算悪化を補う形で、モール運営やドラッグストアが連結業績を支えている。営業収益は前年同期比15%増の2兆9419億円、営業利益は34%増の752億円となり、収益面では過去最高を更新した。

ハイライト

  • イオンの2026年3〜5月連結決算は最終損益が138億円の黒字に転換し、前年同期の65億円赤字から大幅改善。
  • デベロッパー・エンタメ事業は営業利益が43%増、ドラッグストア事業も営業利益が3.2倍となり収益を牽引。
  • 通期業績予想は営業収益12兆円・純利益730億円を据え置くが、年初来株価は40%超下落、中期計画への市場評価は限定的。

四半期決算の内容と収益の牽引役

日本経済新聞によると、イオンが7月10日に発表した2026年3〜5月期の連結決算は、最終損益が138億円の黒字となり、前年同期の65億円の赤字から改善した。前期にのれん減損などの特別損失や、グループ再編に伴う繰り延べ税金資産の取り崩しがあった反動も最終黒字転換に寄与している。

業績を押し上げたのは、イオンモールや映画館「イオンシネマ」を含むデベロッパー・エンターテインメント事業と、1月にツルハホールディングスを連結子会社化したドラッグストア事業だ。デベロッパー・エンタメ事業は営業収益が9%増、営業利益が43%増となった。国内モールではライブビューイングや子ども向け屋内遊び場などの体験型コンテンツが集客につながり、中国では改装効果で営業利益が46%増、ベトナムでも38%増と伸びた。

ドラッグストア事業は営業収益が90%増、営業利益が3.2倍となった。統合効果で仕入れ原価が低下し、粗利率の改善が進んでいる。

食品小売の収益課題と通期見通し

一方で、主力のGMS事業とスーパーマーケット事業は低調だった。GMS事業は営業収益が4%増だったが、営業損益は34億円の赤字と前年同期の17億円の赤字から赤字幅が拡大した。まいばすけっとやユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスを含むスーパーマーケット事業も、営業収益が微減となり、営業損益は前年同期の69億円の黒字から8億円の赤字に転落した。

前年同期にコメや野菜の価格上昇が売り上げを押し上げた反動に加え、「トップバリュ」の一部商品で8月末まで価格を据え置く低価格戦略が収益性を圧迫している。原材料コストや販管費の上昇も重荷で、不安定な中東情勢に伴うナフサ不足による食品トレーなど資材価格の上昇も懸念材料だ。イオンの担当者は、2026年3〜5月期への影響は小さかったとしつつ、今後の動向を注視するとしている。

2027年2月期の通期業績予想は据え置き、営業収益12兆円、純利益730億円を見込む。ただ、株価は年初来で40%超下落しており、5月に公表した2031年2月期までの中期経営計画についても市場の評価は限定的だ。岡三証券の金森淳一シニアアナリストは、特に下期のコスト増加が不透明な中で価格抑制策を続けているため、中計の実現性に対する慎重な見方が広がっていると指摘している。

当社の以前の記事では、物価高の局面で小売り各社の決算発表が進むなか、首都圏・関西を中心に低価格戦略が広がり、競争環境が一段と厳しくなっている点を整理しました。ホルムズ海峡をめぐる混乱などによるコスト上昇圧力が強まる一方、トライアルHDの低価格ネットスーパー拡大も追い風となり、価格訴求と収益確保をどう両立するかがシェア争いのカギになるとしました。

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