楽天証券、孫子の兵法を投資判断に応用する視点を提示
個人投資家向けの書籍連載で、楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストが『孫子』を株式投資に生かす考え方を語っている。相場では機敏さよりも待つ力と自己認識が重要だとし、銘柄の入れ替えや下落局面での判断に古典の戦略論が役立つとの見方を示している。
ハイライト
- 楽天証券の窪田氏は、相場の流れに合う銘柄を残し不適合な銘柄を外すことで投資パフォーマンス向上が可能と述べた。
- 含み損回避心理が現実認識を鈍らせるため、インデックスファンドなど分散投資でリスク管理を重視する考え方を提案した。
- 市場では静観する規律と自己誤認パターン把握が成果につながるとし、感情管理による合理的判断の重要性を指摘した。
投資判断に生かす孫子の要諦
日経の記事によると、窪田氏はファンドマネージャー時代から『孫子』が株式投資に非常に使えると感じている。建前ではなく本音で企業や相場を見極める姿勢が不可欠で、世間の評価に流されず、誤りに気づいた時点で判断を修正できる人が最終的に勝ちやすいとしている。
同氏は、投資で重要なのは「何を売るか」より「何を残すか」だと説明している。相場の流れに合う銘柄を残し、合わなくなった銘柄を外すことが基本で、上昇した銘柄を先に売り、下落した銘柄を抱え続ける行動はパフォーマンス悪化につながるとみている。
また、含み損を確定したくない心理が現実認識を鈍らせるとも指摘している。相場を直視するのが難しい場合は、個別株へのこだわりを弱め、インデックスファンドなどで「不敗の地」に近い運用へ移る考え方も示している。
待つ力と自己認識が成績を左右
窪田氏は『孫子』の中でも「風林火山」を重視し、とりわけ「林」と「山」に投資の本質があると述べている。市場では素早く動く局面よりも、好機に見えてもまだ動かない判断が求められる場面が多く、静観する規律が収益機会の見極めにつながるという。株価チャートの分析については、山の上から戦いを見て勝つ側に付く感覚に近いと説明している。ただし、値動きだけでなく、企業経営の実態や市場参加者の心理、大義名分に当たる材料まで含めて総合的に見なければ勝率は高まらないとしている。
さらに同氏は、自分が誤りやすいパターンを把握する自己認識が重要だと語っている。買いを判断する際にも、誰がどのような理由で売っているのかを考え、自分の判断をもう一人の自分が冷静に観察する感覚が必要だとし、個人投資家にも感情を管理する視点が求められるとしている。
当サイトの以前の記事では、個人投資家の金融知識への関心の高まりを背景に、株式投資や資産形成、資本市場の構造を学べる6月の注目マネー本のラインアップを整理しました。バフェット関連の発言集や日本株・アクティビスト、NISA・iDeCoの入門書などを通じて、投資判断と制度活用、市場理解を横断して学べる点が特徴だと伝えています。
最新のTRADE.comニュース
- Forex
- Crypto