Inpexの豪州LNG施設スト停止差し止め申請、豪労使審判所が却下
豪州でInpexが運営する3つの液化天然ガス施設では、労使対立の長期化を背景に労働者のストライキが続いている。Ichthys LNGは生産量の約7割を日本向けが占めており、争議が長引けば日本向けガス出荷の遅れにつながる可能性がある。
ハイライト
- InpexによるIchthys LNG施設のストライキ停止差し止め申請を豪Fair Work Commissionが6月9日に却下した。
- Ichthysプロジェクトで約400人の労働者が争議行為を継続し、停泊した日本・韓国向けコンデンセート船2隻の出荷が遅延している。
- Inpexの年間最大930万トン生産のLNGの約70%が日本向けで、ストライキ長期化なら日本への供給遅延リスクが強まる。
審判所判断と争議の経緯
Australian Broadcasting Corpが伝えたところによると、豪州のFair Work Commissionは日曜日の決定で、Inpexによるストライキ停止の申請を退けた。土曜日の審理を経て、マイケル・イーストン副委員長は、継続する争議行為が豪州経済に重大な損害を与えるとのInpexの主張について、根拠が十分ではないと判断している。イーストン副委員長は、ストライキによって生産が1週間停止に追い込まれる可能性についてはInpexの主張を認めた。一方で、それが豪州経済全体への大きな打撃になるとする証拠には説得力がないと述べている。
Ichthysプロジェクトでは約400人の労働者による争議行為が6月初めから激化しており、賃金と労働条件を巡る対立が続いている。先週には1日8時間の作業停止に拡大し、木曜日には貨物の積み下ろし禁止も始まったが、土曜日の審理直前の協議を受けて8時間の停止は4時間に縮小されている。
日本向け供給とLNG市場への影響
InpexのIchthys LNG輸出事業は年間最大930万トンのLNGを生産し、その約70%が日本向けとなっている。これは日本のLNG輸入量のおよそ1割を占めており、ストライキが長引けば日本向けガス出荷の遅延リスクが強まる。これまでの争議行為ですでに日本と韓国向けのコンデンセート少なくとも2船分の出荷が遅れていると、地元紙Australian Financial Reviewは報じている。Inpexと労働組合の交渉は今後も継続する見通しで、豪州発のエネルギー供給の安定性が北東アジアの需要家にとって引き続き注目材料となっている。
当サイトの以前の記事では、オーストラリアのフェアワーク委員会がINPEXによるストライキ停止の申し立てを退け、イクシスLNG施設での争議行為が続く見通しを整理しました。委員会は操業や積み出しの遅れリスクには言及しつつも、豪州経済に重大な混乱をもたらすとの主張は認めず、日本のLNG調達に不確実性が残る点を伝えています。
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