Google、AI検索の引用拒否機能拡大で著作権対応を本格化
生成AIを使う検索サービスの普及が進むなか、Googleは報道機関などが自社コンテンツの参照や引用を拒否できる仕組みの提供を始めている。英国での導入を起点に世界展開を見据える一方、利用拒否と集客機会の喪失が表裏一体となるため、競争政策と権利保護の両面で制度整備が問われている。
ハイライト
- Googleは英国でコンテンツ利用拒否機能を導入し、テスト後に世界展開を予定、CMAによる規制強化に対応。
- 検索結果のAI要約は2024年導入で月間25億人、AIモードも2025年に10億人超が利用し、著作権侵害懸念が高まる。
- 日本公正取引委員会は2025年12月にAI検索の優越的地位乱用を調査予定で、AI事業者の適正な対価支払いが焦点。
英国導入の仕組みと事業上の論点
Nikkeiによると、Googleは英国の競争・市場庁、CMAによる規制強化を受け、まず英国でコンテンツ利用を拒否できる機能を導入している。今後は徹底的なテストを進めたうえで、世界中のウェブサイト所有者への展開を予定している。
背景にはAI検索の利用拡大がある。Googleは2024年に検索結果の要約を示す「AIによる概要」を導入し、月間利用者は25億人を超えている。2025年に始めた対話型の「AIモード」も10億人を上回っている。
利用者の支持が広がる半面、コンテンツ提供者の間では著作権侵害への懸念が強まっている。AIが生成した誤情報の引用元として扱われることで、媒体や企業の信頼が損なわれる恐れもあり、参照や引用を拒否できる選択肢の整備は事業者側のリスク管理策として意味を持つ。
競争政策と日本での監視強化
ただし、利用拒否には副作用もある。AI検索からの流入が止まる可能性があり、高い市場シェアを持つ検索事業者の下で、コンテンツ提供者は権利保護と集客の間で難しい判断を迫られている。さらに、利用を拒否するとGoogleのAI検索全体の対象外になる点を問題視する声も出ている。各国の競争当局には、コンテンツ提供者が主体的に利用可否を選べる環境を維持する監視が求められる。
日本では2025年12月、公正取引委員会がAI検索を巡る優越的地位の乱用などについて調査すると発表している。無断学習への対応も含め、AI事業者がコンテンツに適正な対価を支払う枠組みを整えることは、生成AI市場の持続的な拡大と多様な情報基盤の維持に直結する。
先端技術の規制改革に向けた政府の動きについて、当サイトの以前の記事で取り上げました。規制改革推進会議の答申を踏まえ、AI向けデータセンターの国内立地を後押しする建築基準法上の見直しや、フィジカルAI・自動運転の法的位置づけの明確化など、民間投資と社会実装を進める制度整備の論点を整理しています。
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