日本政府、AI活用へ規制改革答申を受領、データセンターや自動運転の制度整備を促進

日本政府、AI活用へ規制改革答申を受領、データセンターや自動運転の制度整備を促進
AI政策と規制改革加速

日本政府は供給力の底上げと民間投資の拡大に向け、AIをはじめとする先端技術の活用を後押しする規制改革の具体化を進める。規制改革推進会議が29日にまとめた55項目の答申を踏まえ、政府は7月にも実施計画を閣議決定する方針だ。

ハイライト

  • 政府規制改革推進会議が高市早苗首相に答申し、AIやデジタル、GXの17戦略分野で法制度改革を要請、民間投資促進を狙う。
  • データセンター国内立地加速へ建築基準法上の蓄電池数量規制の見直し要請、AIロボットと自動運転車両の法的位置づけ明確化も提起。
  • 農地集約率算定方法の導入や医療データ二次利用拡大、労働時間制柔軟化と外国人労働者受け入れ条件明確化が主要改革項目。

データセンターと先端技術の制度整備

Nikkeiによると、政府の規制改革推進会議は29日、高市早苗首相に答申し、AIやデジタル、GXなど17の戦略分野に沿った法制度改革を求めた。首相は会議で、規制制度改革を成長戦略に積極的に取り込み、事業者の予見可能性を高めたうえで、「官民投資ロードマップ」の下で民間投資を最大限引き出す考えを示している。

内閣官房には「AIデジタル改革推進チーム」を設け、府省庁を横断して統合調整を進める。答申は「強い経済の実現」と「地方を伸ばし、暮らしを守る」を柱に据える。

個別施策では、AI向けデータセンターの国内立地を加速させるため、建築基準法上の蓄電池に関する数量規制の見直しを提起した。高負荷の電力需要に対応するリチウムイオン蓄電池について、安全性が確保できれば適用除外と明記するよう求めている。

あわせて、AIでロボットを自律的に動かす「フィジカルAI」の社会実装を見据え、二足歩行型ロボットの法的位置づけの明確化も要請した。道路交通法や道路運送車両法での扱いが不明確なことが、歩道上の実証実験の障壁になっているためだ。

自動運転分野では、安全基準を満たした車両を「優良」とみなす新制度の創設方針も盛り込んだ。対象は運転手がほぼ操作せずに走行できる「レベル2++」の車で、国が安全性を審査することで利用環境の整備を狙う。

農業、医療、労働市場への波及

答申は地方や基幹産業の生産性向上にも重点を置く。農業では担い手不足を踏まえ、農地がどの程度まとまっているかを示す「集約率」の算定方法を定めるなど、農地利用の最適化に向けた改革を提起した。

農地の集約が進めば、ロボット農機やドローンの導入がしやすくなり、スマート農業の普及が後押しされる可能性がある。地方の労働力不足への対応と、農業分野の設備投資拡大が主な狙いになる。

医療では、技術向上につなげるため厚生労働省に制度見直しを求めた。電子カルテ情報共有サービスの閲覧対象者の拡大や、本人同意が不要な医療データの二次利用範囲の拡充に向けた議論を促している。

労働分野では、建設業や運輸業など繁閑差の大きい業界で「変形労働時間制」を柔軟化する方向で検討を進める。現行では勤務シフトを30日前までに確定する必要があり、悪天候など突発事態に対応しにくいとの指摘がある。

さらに、裁量労働制の対象職種の見直しや、外国人の在留資格の具体化も盛り込んだ。「技術・人文知識・国際業務」の業務範囲を明確にし、増加する外国人労働者の適正な受け入れにつなげる考えだ。

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