ホンダは米国での電気自動車戦略の大幅な見直しに伴い、1957年以来初めて営業赤字となった。巨額の減損計上が前期業績を圧迫した一方、今期は市場予想を上回る純利益と営業利益を見込んでいる。
ハイライト
- ホンダは米EV戦略見直しと2兆5000億円の減損計上により、2023年度営業損失4143億円・純損失4239億円となり、営業赤字は1957年以来初。
- 2024年度は純利益2600億円・営業利益5000億円と市場予想を上回る見通しを発表し、株価は一時8%近く上昇。
- 日本が2029年までにU.S.へ5500億ドル投資で自動車関税を25%から15%へ引き下げ合意し、分野への長期影響が示唆される。
米EV戦略見直しと減損計上
Japan Today Businessが伝えたところによると、ホンダは木曜日、前期の営業損失が4143億円、純損失が4239億円になったと発表した。営業赤字は1957年以来初めてで、EV事業に関する巨額の会計費用が響いた。
ホンダは3月、米国で予定していた一部EVモデルの投入と開発を中止すると発表しており、これに伴って減損など計2兆5000億円の費用を計上した。会社は要因として、Donald Trump米政権による輸入関税やEV購入優遇策の廃止を含む「政府政策の転換」を挙げた。
あわせて、中国やその他のアジア市場でホンダ製品の競争力が低下していることも、業績悪化の背景として示した。Bloomberg Newsによると、純損失は1977年に連結決算の開示を始めて以来初めてとなる。
自動車業界全体への波及
今期についてホンダは、純利益2600億円、営業利益5000億円を見込んでいる。この見通しは市場予想を上回り、同社株は一時8%近く上昇した。日本の自動車各社は、U.S.関税、中東戦争、中国勢との激しい競争という複合的な圧力に直面している。Toyotaは先週、前期に250億ドル超だった純利益が今期は22%減少するとの見通しを示し、Nissanも工場閉鎖と人員削減を進めるなか、前期に34億ドルの純損失を計上した一方で黒字回復を予想している。
Bloomberg Intelligenceのアナリスト、吉田達郎氏は、ホンダの損失は戦略転換に伴う一時的で大規模な損失だと指摘した。そのうえで、内燃機関車とハイブリッド車の商品力、ブランド力、二輪車と金融事業の収益性は依然として強いとみている。
日米間では、日本が2029年までにU.S.へ5500億ドルを投資することで、25%を予定していた関税を15%へ引き下げることで合意している。この約束は、U.S.最高裁が2月にDonald Trump大統領の世界的関税を退け、その後に新たな一律10%関税が課された後も有効とされている。
当社の以前の記事では、日本の自動車メーカーが原材料高や中国勢の攻勢、U.S.の関税などで業績が悪化し、事業モデルの見直しが急務になっている点を整理しました。とくにホンダはU.S.向けEV開発の中止が赤字要因の一つとなり、開発期間とコストの圧縮、部品共通化や調達網の多様化、地域戦略の再構築が収益回復の鍵になると指摘しています。
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