東京電力HD、カナダのウラン権益売却で資本効率改善へ
東京電力ホールディングスは、経営再建に向けた資産圧縮の一環として、カナダのウラン鉱山権益を手放す。原子力発電の燃料調達には支障がないとみており、財務体質の改善と保有資産売却計画の実行を進める。
ハイライト
- 東京電力HDはカナダのシガーレイク・ウラン鉱山プロジェクトの保有権益5%をCamecoなどに全額売却すると発表した。
- Camecoは2.871%分の買収額を1億1575万カナダドル(約133億円)と説明し、シガーレイク鉱山は2030年代半ばに生産終了予定。
- 東京電力HDは今後3年以内に保有資産を2000億円分売却する計画で、今回の権益売却は資本効率改善策の一環となる。
シガーレイク権益売却の内容
日本経済新聞が報じた内容によると、東京電力ホールディングスは6月3日、カナダでウランを生産する「シガーレイク・ウラン鉱山プロジェクト」の保有権益5%をすべて売却すると発表した。売却先には、カナダのウラン採掘大手Camecoなどが含まれる。
東京電力ホールディングスは売却額を公表していないが、同社から2.871%分を取得するCamecoは、買収額が1億1575万カナダドル、約133億円だと説明している。シガーレイクは2030年代半ばに生産を終了する予定で、この見通しも売却判断の材料になっている。
同社は、原発稼働に必要な燃料についてはすでに確保しているとしている。稼働中の原発は柏崎刈羽原発6号機のみで、必要量は相対取引や市場調達で賄える見込みだという。
再建計画と財務改善への影響
今回の売却は、資本効率の向上と財務基盤の改善を狙う施策と位置づけられる。東京電力ホールディングスは福島第1原発事故に伴う賠償費用などで経営環境が悪化しており、保有資産の見直しを進めている。同社は今後3年以内に保有資産を2000億円分売却する方針を示している。ウラン権益の売却は、その資産圧縮計画の一部として、再建に向けた資金確保と資産効率改善の両面で意味を持つ。
当社の以前の記事では、理論株価を考えるうえで欠かせない「割引現在価値(DCF)」の考え方を整理し、将来利益を現在価値に割り戻して事業価値を見積もる重要性を解説しました。また、BPSと将来EPSの割引現在価値を単純に合算すると理論株価を過大評価しやすく、相場過熱局面ほど評価の精度が投資判断を左右する点にも触れています。
- Forex
- Crypto