大手電力9社、6月家庭向け料金を引き上げ
中東情勢の緊迫で燃料調達コストが上昇し、6月使用分の家庭向け電気料金にその影響が出始める。東京電力など大手電力10社のうち9社が値上げし、政府の補助が終わる秋以降は家計負担が一段と重くなる見通しだ。
ハイライト
- 東京電力など大手電力9社が6月の家庭向け電気料金を前月比25〜91円(最大約1%)引き上げ、関西電力は据え置き。
- ホルムズ海峡封鎖を受けた原油・LNG価格上昇が6月分以降の電気料金に反映、9月以降は更なる値上げ圧力。
- 政府は7〜9月に1キロワット時あたり3.5〜4.5円の電気料金補助実施も、燃料高と猛暑で負担増が続く見通し。
6月料金への転嫁と今後の値上がり見通し
Nikkeiによると、大手電力10社が28日に公表した6月使用分、7月請求分の家庭向け電気料金では、東京電力など9社が前月比で25〜91円引き上げる。一般家庭のモデルケースである月260キロワット時の使用量を前提とすると、上げ幅は最大91円、約1%となる。
関西電力は制度上、燃料輸入価格を料金に転嫁できる上限を超えているため据え置きとなる。東京電力管内の料金は前月比28円高い8823円となる一方、前年同月比では29円安く、現時点での中東情勢の影響は限定的にとどまる。
ただ、先行きの上昇圧力は強い。3月2日のホルムズ海峡の事実上封鎖を受けて4月に日本へ到着した原油価格が上がっており、燃料輸入価格を2〜4カ月遅れで反映する料金制度により、6月分から影響が表面化する。9月以降はホルムズ海峡封鎖に伴うLNG価格上昇も反映され、値上げ幅がさらに広がる見込みだ。
補助金の下支えと家計への影響
政府は電気・ガスの使用量が増える7〜9月使用分について補助金を出す方針で、電気料金の支援額は1キロワット時あたり7月と9月が3.5円、8月が4.5円となる。昨夏の7月と9月の2円、8月の2.4円を上回り、標準世帯では月1000円超の負担軽減を見込む。一方で、補助があっても燃料高の影響を完全には吸収できない可能性がある。気象庁は6〜8月の気温が全国的に高くなるとみており、単価上昇に加えて冷房需要で使用量も増えやすい。
電力中央研究所の筒井美樹副研究参事は、3月の原油高を基に2027年2月の電気料金を試算し、2025年12月と同じ使用量で比べると全国平均で7%程度上がる可能性があると分析する。契約先の見直しも選択肢となり、東京ガスとUKのオクトパスエナジーが出資するTGオクトパスエナジーは、燃料輸入価格の変動を料金転嫁しないプランを契約開始から12カ月限定で提供している。
当サイトの以前の記事では、中東情勢の緊迫を受けて日本のナフサ輸入が大きく縮小し、中東依存度が低下する一方で、U.S.など中東以外からの代替調達が急増している点を整理しました。あわせて、調達先の分散が進んでも化学メーカーにはコスト増や物流体制の再構築といった負担が残り、原材料高が関連製品の価格や供給見通しに影響し得ることを解説しています。
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