Samsung、AI競争で前進も過去最高益だけでは勝利を保証せず

Samsung、AI競争で前進も過去最高益だけでは勝利を保証せず
SamsungはAIブームでどのように利益を上げているのか

​Samsungは、世界的な人工知能(AI)ブームを背景に過去最高益を計上している。世界最大手企業がAI開発に数十億ドルを投じるなか、チップ需要は増加している。しかし、これだけで韓国企業は新たな技術競争のリーダーになれるのだろうか。

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Samsung、AIブームの恩恵を享受

Samsung Electronicsは、2026年第3四半期の暫定決算を発表した。同社の営業利益は801億ドルに達し、前年同期の約9倍となった。CNBC によると、売上高は127%増の1,455億ドルとなった。

成長の主因は、人工知能に使われるメモリーチップの需要だった。これらの部品は、AIモデルを稼働させるデータセンターで使用される。特に重要なのが、HBM(High Bandwidth Memory)だ。Nvidia などのAIアクセラレーターメーカーが製造するGPUと並べて搭載されるためである。HBMは、ニューラルネットワークの学習や実行に必要な膨大なデータを高速転送できる。

第2四半期もSamsungにとって過去最高の四半期だった。売上高は約1,280億ドル、営業利益は668億ドルに達した。つまり同社は、わずか1四半期で営業利益を約133億ドル増やしたことになる。

しかし、これらの決算でさえアナリスト予想には届かなかった。暫定決算の発表後、Samsung株 はソウル株式市場で2%超下落した。投資家は、テクノロジー企業がAIインフラに巨額投資を行うなか、さらに強い数字を予想していた。

Samsungの各事業部門の業績はまだ明らかになっていない。同社は10月29日に、部門別内訳を含む通期の決算報告を発表する予定だ。

Samsung、競合を追い上げ

過去最高益にもかかわらず、SamsungはAI向け先端メモリーチップで競合に後れを取っている。最大のライバルは韓国のSK Hynix で、Nvidiaのアクセラレーター向けHBMの量産出荷をいち早く確立した。米国のMicronも生産を拡大し、世界最大手のテクノロジー企業からの契約獲得を競っている。

Samsungは次世代メモリーのHBM4で差を縮めたい考えだ。Citigroupのアナリストは、12層HBM4チップの価格が2027年に100~150%上昇すると予想している。同社は生産能力も拡大し、供給量を増やすとともに、AIハードウェア開発企業からより多くの受注を確保しようとしている。

9月、SamsungはフランスのAI開発企業Mistral AIとの戦略的提携を発表した。同社のモデルは、半導体生産を含むSamsungの各施設に導入される見通しだ。AIは製造工程の自動化や社内のエンジニアリング業務の処理に活用される。

サーバーからスマートフォンまで

Samsungの戦略のもう一つの柱は、数億人が使用するデバイスにAIを直接搭載することだ。同社は、部品のデータセンター向け販売だけに依存せず、スマートフォン、テレビ、家電事業の規模を活用できる。

スマートフォンではGalaxy AIが中心的な役割を果たしている。対応端末では、人工知能によって通話の翻訳、音声録音の文字起こし、写真編集、画像を使った情報検索が可能だ。一部の機能は端末上で直接処理されるが、インターネット接続が必要な機能もある。

Samsungは家電にもAIを活用し、日常的な作業を自動化している。例えば洗濯機は洗濯物の量に応じて洗浄設定を調整でき、カメラを搭載した冷蔵庫は特定の食品を認識して買い物リストの作成を支援できる。テレビでは、AIが画質と音質の向上に使われている。

7月、Samsung経営陣は、Galaxy AI搭載デバイスの台数が2026年末までに8億台に達する見通しを示した。同社はGalaxy S26シリーズでAIエージェント機能も拡充した。ユーザーは独自のBixbyアシスタントに加え、Google GeminiとPerplexityにもアクセスし、情報検索や設定管理、アプリ内での操作を行える。

競争の行方を左右する要因

過去最高益は、SamsungがすでにAIブームの恩恵を受けていることを示しているが、競争自体はまだ勢いを増している。次の段階では、同社が拡大するメモリー需要を、次世代チップ市場で持続可能な地位へとつなげられるかが焦点となる。

同時に、Samsungは2つの分野で競争している。同社はAIインフラ向け部品を販売する一方、自社デバイスにも人工知能を組み込んでいる。両事業が同時に大きな収益を生み始めれば、部品に特化するチップメーカーにはない優位性を獲得する可能性がある。

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