旭化成、ナフサ調達多角化を継続、6月末までの確保にめど

旭化成、ナフサ調達多角化を継続、6月末までの確保にめど
ナフサ確保に自信

旭化成が15日の中期経営計画の進捗説明会で示した内容によると、国内素材メーカー全体のナフサ調達は6月中旬から月末にかけて見通しが立っている。ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受けて中東外からの調達が増えているが、調達価格は通常の倍近い水準となっており、化学品から住宅部材まで幅広い事業でコスト転嫁の判断が課題となっている。

ハイライト

  • 旭化成はナフサ調達を中東外も含め多角化し、6月末までの必要量確保にめどをつけたが中東外ナフサ価格は通常の倍と説明。
  • 感光性液体樹脂「パイメル」などエレクトロニクス部門の28年3月期営業利益計画を30億円上方修正し330億円とした。
  • 北米住宅市況の回復遅れを受け、海外住宅部門の28年3月期営業利益計画は従来比50億円減の280億円に引き下げた。

中東外調達の拡大と価格負担

国内で使うナフサは、4割超を中東、2割弱を中東外からの輸入に依存し、残りを国産で補っている。ナフサはエチレンの原料であり、そこから合成樹脂などの中間材料がつくられるため、供給の変動は幅広い製造業に波及する。工藤幸四郎社長は、今後も調達多角化を進める方針を示す一方で、中東外から購入するナフサは通常の倍近い価格だと説明している。

同社は樹脂などで値上げを公表しており、今後も複数の調達候補を価格面を含めて見極める必要があるとしている。価格転嫁は避けにくいとの認識を示しつつ、消費が冷え込むリスクも警戒している。供給不安とコスト上昇が同時に進むなか、調達と販売の両面で慎重な対応が続く。

生活関連製品と供給網への波及

食品包装材のサランラップについて、旭化成は現時点で値上げを決めた事実はなく、減産もしていないとしている。一方、戸建て住宅のヘーベルハウスでは受注を抑える必要は今のところ感じていないものの、仕入れ部材の価格上昇を見込み、価格転嫁の要否を検討する方針だ。ナフサ高騰は生活関連製品から住宅まで、幅広い採算管理に影響を及ぼしている。

一部で調達難が出ているシンナー主原料については、同社の生産量は昨年とほぼ同等の水準を維持している。ただ、原料から最終製品までの長い供給網では、先行き不透明感から目詰まりが起こる可能性があるという。工藤社長は、顧客に現状を丁寧に説明することが重要だと述べている。

中計据え置き、電子材料を上方修正

旭化成は28年3月期に連結営業利益2700億円を目指す中期経営計画を据え置いている。U.S.の関税政策や北米事業環境の悪化などで150億円規模の下振れリスクを織り込むが、販売が好調な医薬品事業の上振れで補う考えだ。中東情勢の業績影響については、各事業部で精査を進めているとしている。

事業別では、先端半導体向け感光性液体樹脂「パイメル」を含むエレクトロニクス部門の28年3月期営業利益計画を330億円へ引き上げ、従来計画から30億円上方修正した。人工知能向け需要の拡大が追い風となっている。一方、高金利が続く北米では住宅市況の回復が遅れており、海外住宅部門の営業利益計画は280億円とし、従来計画から50億円引き下げている。

私たちは以前、旭化成が原油高とナフサの供給不安を背景に、食品包装材「サランラップ」の価格を段階的に転嫁していく方針を示したことを報じました。在庫が尽きた後のコスト上昇を見据えつつ、急激な値上げによる消費者・取引先への影響を避けるため、情勢を見極めながら慎重に価格改定を進める姿勢が焦点でした。

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