TSMC、AI需要追い風に四半期最高益を更新

TSMC、AI需要追い風に四半期最高益を更新
TSMC最高益を更新

TSMCが16日に発表した2026年1〜3月期決算によると、AI向け先端半導体の需要拡大を背景に収益が大きく伸びている。純利益は5724億台湾ドルとなり、市場予測の5408億台湾ドルを上回った。売上高と純利益はいずれも四半期ベースで過去最高となり、増収率も前四半期から拡大している。

ハイライト

  • TSMCの2024年第1四半期売上高は前年同期比35%増の1兆1341億台湾ドル、純利益は58%増で四半期最高益を達成。
  • AI向け先端半導体需要が堅調で、TSMCの供給能力は逼迫し、需給の引き締まりが続き増収率も拡大。
  • 熊本工場で3ナノ生産許可を3月末に取得し、2028年量産開始計画が供給体制拡大と地域サプライチェーン強化に寄与。

業績拡大の背景と需要動向

売上高は前年同期比35%増の1兆1341億台湾ドルで、純利益は58%増だった。高性能サーバーやスマートフォンに使う先端半導体の需要が引き続き強く、特にAI向け製品が業績をけん引している。U.S.テック企業は生成AIの処理を支えるデータセンター投資を積み上げており、TSMCの先端品への発注も高水準が続いている。

増収率は2025年10〜12月期の20%からさらに拡大した。需要の伸びに対して、TSMCの製造能力はなお逼迫している。AI向け高性能半導体では同社の供給力への依存が強く、需給の引き締まりが続いている。

熊本3ナノ計画と供給体制の拡張

3月末には台湾当局から、熊本工場で3ナノメートル品を生産する許可を得た。これまで同工場では6〜40ナノメートル品の生産を計画していたが、より先端の製品へと対象が広がる。2028年には製造装置を搬入し、量産を始める計画だ。

TSMCは世界最大の半導体受託生産会社として、エヌビディアやアップルなどが設計した半導体の製造を担っている。高性能品では性能と生産効率の強みを持ち、AI処理向けの分野で供給をほぼ一手に担う構図が続く。熊本での先端品生産は、供給能力の分散と拡大の両面で注目を集めている。

地政学リスク下で高まる市場の注目

中東の紛争が長期化するなかで、半導体の供給網と需要見通しへの関心は一段と高まっている。先端半導体はAI投資の中核部材であり、TSMCの生産動向は世界のテック企業の設備投資計画にも影響しやすい。市場では、同社が午後3時から開く決算説明会で示す需要認識や生産計画の詳細に注目が集まっている。

AI向け需要の強さが続く一方で、供給能力の不足は短期的な制約要因になっている。今後は先端品の増産体制と海外拠点の立ち上げが、成長持続の重要な焦点となる。熊本工場の計画進展は、日本を含む地域の半導体供給網強化にもつながる可能性がある。

以前の報告では、Nvidia株の上昇基調とテクニカル面の過熱感を整理しつつ、中国によるガリウム供給の統制や中東情勢の緊張がAIチップ関連の供給網リスクを高める点を取り上げた。供給制約が長引けば製造や調達にボトルネックが生じ得るとして、短期的な価格変動リスクにも注意が必要だと伝えていた。

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