日英、重要鉱物協力を協議、GCAP加速も確認
日本と英国は20日、東京での外相戦略対話で、経済安全保障と防衛協力の連携を一段と深める方向を確認した。中国によるレアアース輸出規制強化への警戒が高まるなか、重要鉱物の供給網強化と次期戦闘機の共同開発推進が主要議題となっている。
ハイライト
- 茂木敏充外相と英国のクーパー外相は20日、重要鉱物サプライチェーン強靱化など経済安全保障分野で協力推進に合意。
- 日英伊3カ国による次期戦闘機開発計画GCAPの進展加速を確認し、2035年以降の航空自衛隊主力装備化を目指す方針を再確認。
- 中国によるレアアース輸出規制強化を受け、調達先多角化と供給網安定化が日英連携の中心議題となり、両国の安全保障連携強化にも波及。
経済安保と防衛協力の具体化
日本経済新聞によると、茂木敏充外相は20日、英国のクーパー外相と都内の飯倉公館で戦略対話を開き、重要鉱物のサプライチェーン強靱化を含む経済安全保障分野で具体的な協力を進めることで一致した。会談では、イタリアを含む3カ国で進める次期戦闘機開発計画、GCAPの進展を加速する方針も確認した。
茂木氏は会談冒頭で、基本的価値を共有する英国との連携の重要性が一層増していると述べた。英国側も、ホルムズ海峡を念頭に航行の自由や国際法、海洋法を巡って両国が歩調を合わせているとの認識を示している。
両国は海外における自国民保護に関する覚書も締結した。平時から情報共有を進め、緊急時の協力をさらに深める枠組みとする。
供給網リスクと地域安保への波及
今回の協議では、1月にスターマー首相が来日して高市早苗首相と会談した流れも踏まえ、中国による日本向けレアアース輸出規制強化を念頭に重要鉱物の安定確保が議論の中心となっている。重要鉱物は先端産業や防衛産業の基盤であり、日英の連携は調達先の多角化と供給網の安定化につながる可能性がある。安全保障面では、両外相は欧州大西洋とインド太平洋の安保は不可分との認識を共有した。GCAPを巡っては、日英伊3カ国の官民が1日に共同開発に向けた初の契約を結んでおり、2035年以降の航空自衛隊の主力装備となる計画だ。
茂木氏はこの後のワーキングディナーでもクーパー氏と地域情勢を議論する。中東情勢やロシアの侵略を受けるウクライナ、インド太平洋を巡る情勢について意見を交わし、外交と安保の両面で連携の幅を広げる構えだ。
当社の以前の記事では、日本が重要鉱物のサプライチェーン構築を後押しするため、国際開発金融機関(ADB・IDB)への資金拠出を打ち出した点を整理しました。レアアースやリチウムの調達先を多角化し、中国への依存を低減する狙いで、新興国での資源開発・加工を支援する枠組みが議論の焦点になると伝えています。
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