東京エレクトロン台湾子会社、TSMC機密流出で有罪判決
台湾の半導体機密保護を巡る司法判断が、製造装置業界にも波及している。台湾の知的財産・商業裁判所は27日、TSMCの機密流出事件で東京エレクトロンの台湾子会社に執行猶予3年と罰金1億5000万台湾ドルを命じ、元従業員には懲役10年を言い渡した。
ハイライト
- 台湾高等検察署は東京エレクトロン台湾子会社を国家安全法違反で起訴し、予防措置の不十分さが追及された。
- 判決で東京エレクトロン子会社の元従業員には懲役10年、TSMC元従業員2人には懲役3年と2年、別の元従業員には6年が言い渡された。
- 半導体を核心技術に指定する2022年改正国家安全法により、台湾国内の機密管理や内部統制強化への圧力が一段と増している。
判決内容と起訴の経緯
日本経済新聞によると、台湾高等検察署は2025年8月、TSMCの機密情報を不正に取得、利用したとして元従業員3人を起訴し、同年12月には東京エレクトロンの台湾子会社についても予防措置が不十分だったとして国家安全法違反で追起訴していた。東京エレクトロン子会社に移った元社員は、情報取得の目的が同社製造装置の改善にあったとしていた。
今回の判決では、国家安全法違反などで起訴された東京エレクトロン子会社の元従業員に懲役10年が言い渡された。TSMCの元従業員2人にもそれぞれ懲役3年、2年が言い渡され、追起訴された別のTSMC元従業員にも懲役6年の判決が下っている。
台湾半導体業界への影響
台湾は2022年の国家安全法改正で、半導体などの先端技術を「核心技術」に指定し、漏洩行為などに重い量刑を設けている。先端技術の保護を経済安全保障と直結させる姿勢が、今回の量刑にも表れている。核心技術を巡る国家安全法違反で法人が起訴されたのは今回が初めてだ。半導体の受託生産で世界的な地位を持つ台湾では、装置、材料を含む供給網全体に対し、機密管理と内部統制の厳格化を求める圧力が一段と強まる可能性がある。
当社の以前の記事では、日本の半導体産業の再編史として、エルピーダメモリの破綻、ルネサスエレクトロニクスの再建、ラピダスの量産挑戦を取り上げ、技術力だけでは事業継続が難しい現実を整理しました。あわせて、資本政策やガバナンス、顧客関係、政府支援の設計が競争力を左右するという視点を示し、官民支援を成長投資につなげられるかが重要な論点だと指摘しています。
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