農水省、中東緊迫下で農業資材の確保にめど

農水省、中東緊迫下で農業資材の確保にめど
農業資材 安定確保へ

中東情勢の緊迫を受けて農業や食品加工向け資材の供給不安が意識されるなか、農林水産省はビニール製のコメ袋や農業用マルチシートなどの確保に当面のめどがついたとみている。包装資材や有機溶剤、漁業向け資材にも調査対象を広げており、国全体では供給が足りているとの認識を示している。

ハイライト

  • 農水省は、中東情勢の緊迫を受けて石油関連製品57項目の供給調査を実施し、主要資材の当面確保にメドと発表。
  • 鈴木農相はマレーシアで肥料用尿素の安定調達企業を訪問予定、備蓄も含め必要量確保は明言も今後の先行きは不透明。
  • 2026年産の飼料用米作付け意向は24万トンと国産需要(最大40万トン)を最大16万トン下回る見通しで供給不足懸念。

重点資材の供給状況を点検

日経の報道によると、鈴木憲和農相は28日の記者会見で、石油関連製品を中心とする57項目の資材について流通実態の調査を進めていると説明した。調査では、広く使われる資材や生産者から供給不安の声が出ている品目を優先して確認している。

当面の確保が見込める品目として、ビニール製のコメ袋、農業用マルチシート、パン包装用の袋、食肉流通用フィルム、植物油の生産で使う有機溶剤のヘキサン、漁業で使う発泡スチロール箱を挙げた。鈴木氏は、一部で偏りはあるものの、国全体では十分に足りているという調査結果になっていると述べている。

一方で、いつまで現在の確保見通しが続くかについては具体的に示していない。中東情勢の先行きが読みにくいなか、政府は資材供給の監視を続ける構えだ。

肥料調達と飼料用米に残る課題

鈴木農相は28日から5月1日にかけてバングラデシュとマレーシアを訪問する予定も公表している。マレーシアでは、肥料用の尿素を日本に供給する企業を訪れ、安定調達に向けて意見を交わす。

備蓄肥料を含めて必要量は確保できているとしながらも、先行きは見通せないとして、日本向けの安定調達で一定の方向性を出したい考えを示している。中東情勢が肥料や石油由来資材の調達環境に波及する可能性があるため、農業分野では供給網の多様化が引き続き焦点になる。

あわせて示した飼料用米の需給見通しでは、国産の需要が年30万トンから40万トンあるのに対し、2026年産の作付け意向は1月末時点で24万トンにとどまる。最大で16万トン不足する見通しで、資材確保に加えて国内生産の底上げも課題として浮かんでいる。

当社の以前の記事では、中東情勢の緊迫化と原油高を受けて、日本政府が補正予算の編成に慎重で、既存財源の活用で対応する方針を整理しました。また、代替調達や備蓄放出により原油・石油製品の必要量は確保でき、年越し後も安定供給の見通しを示している点を伝えました。

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