日本の2025年度の経常収支は、財の貿易収支が5年ぶりに黒字へ戻ったことを背景に、3年連続で過去最高を更新する。黒字額は34兆5200億円に達し、円安による海外投資収益の押し上げも全体を支えている。
ハイライト
- 2025年度の日本の経常黒字は前年比15.0%増の34兆5200億円となり、半導体輸出と海外収益増が主因。
- 貿易収支は1兆3600億円の黒字に転じ、輸出3.3%増の111兆3500億円、輸入0.8%減の109兆9800億円で原油安が寄与。
- 3月単月の経常黒字は前年同月比29.1%増の4兆6800億円、中東情勢の影響は輸出入減少に一部反映。
2025年度収支の内訳と押し上げ要因
財務省の13日の速報によると、2025年度の経常黒字は前年度比15.0%増の34兆5200億円となる。財の貿易収支は1兆3600億円の黒字となり、前年度の3兆300億円の赤字から改善している。輸出は3.3%増の111兆3500億円となり、台湾などアジア向けの半導体を含む電子機器の需要が伸びを支える。輸入は0.8%減の109兆9800億円で、原油価格の下落が輸入額を抑えている。
海外投資からの配当や利子を示す第1次所得収支は2.1%増の42兆2800億円に達する。対ユーロでの円安が海外収益の円換算額を押し上げ、2025年度の平均為替レートは1ユーロ=174.78円と前年から6.8%円安になる。対U.S.ドルでは平均150.72円で、1.2%の円高となっている。
年度平均の原油価格は1バレル71.41ドルと前年度比13.3%下落する。一方で、2月28日に始まったU.S.とイスラエルによるイラン攻撃を受けた中東情勢の影響は、輸入額にはまだ明確に表れていない。
サービス収支と地域影響
サービス収支は3兆8800億円の赤字となり、赤字幅は前年度から7412億円拡大する。海外での研究開発関連の支払い増加が重荷となっている。旅行収支の黒字は6兆5700億円と、前年度の6兆6000億円からやや縮小する。訪日客の増加は続くものの、日本人の海外渡航増加が一部で相殺している。
3月単月の経常黒字は4兆6800億円で、前年同月比29.1%増となる。財務省当局者は、中東情勢が3月の経常収支にどの程度影響したかの見極めは難しいとし、中東向けの輸出入がいずれも前年比で約1割減っている一方、旅行収支には日本からの出国者増加など他の要因も影響していると説明している。
当社の以前の記事では、日米の財務当局が会談し、円相場を含む為替市場の過度な変動を抑え、市場の安定を図るための緊密な連携を改めて確認した点を整理しました。あわせて、U.S.長期金利の上昇が日本の債券市場にも波及するなかで、金融システムの安定確保やAI悪用型のサイバー攻撃リスクへの共同対応など、協力範囲が広がっていることも伝えています。
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