フリーランス保護法の施行後、委託先への経済的不利益として最大規模とされる事案が音楽教室業界で表面化した。公正取引委員会は5月19日、無料体験レッスンを講師に無償で担わせていたとして、運営会社シアーに再発防止と未払い対価の支払いを求めている。
ハイライト
- 公正取引委員会はシアーに対し、2024年11月から2026年2月まで講師1674人へ無償体験レッスン5万3036回分の対価支払いを勧告。
- フリーランス保護法に基づく勧告は今回が初であり、中小企業庁の請求による法執行が強化されたことを示す。
- 教育サービス各社にも契約条件見直しが波及する可能性があり、外部人材活用における無償業務の取り扱いが注視される。
勧告の内容と無償委託の実態
日本経済新聞によると、公正取引委員会はシアーがフリーランスの講師1674人に対し、2024年11月から2026年2月にかけて1回30分の無料体験レッスンを計5万3036回、無償で行わせていたとして勧告した。勧告では、再発防止に加え、無償で担当させていた体験レッスン分の対価を支払うよう求めている。
発注時の契約書類には、体験レッスンでは報酬が発生しないことが明記されていた。一方で、体験レッスンなどを経て受講者が入会した場合には、講師にインセンティブが支払われる仕組みだったという。
中小企業庁は同法に基づいて調査し、公取委に勧告を求める措置請求をしていた。同庁の請求を受けたフリーランス保護法に基づく勧告は今回が初めてとなる。
制度運用の広がりと業界への影響
フリーランス保護法は、フリーランスと発注元の取引適正化と働きやすい環境整備を目的とする法律だ。金銭や労務の提供を一方的に求める行為は「不当な経済上の利益の提供要請」として禁じている。違反が認められた場合、悪質な事案では事業者名の公表を伴う勧告が行われ、是正や再発防止が求められる。軽微な違反は指導にとどまるが、今回の措置は施行後の法執行が本格化していることを示しており、講師やインストラクターなど外部人材に業務委託する教育サービス各社にも契約条件の見直しを促す可能性がある。
当サイトの以前の記事では、ニデックで1,000件超の品質不正の疑いが開示され、外部有識者による調査委員会の設置と原因特定に向けた方針が示された点を取り上げました。会計不正の調査過程で品質面の問題が判明したことで、品質管理運用や内部管理体制の実効性に対する監視が一段と強まる見通しです。
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