原子力規制委、原発審査の虚偽申請に罰則導入を検討

原子力規制委、原発審査の虚偽申請に罰則導入を検討
虚偽申請に罰則導入

原子力発電所の再稼働審査を巡る信頼性確保が課題となるなか、原子力規制委員会は事業者が安全審査で虚偽申請をした場合の罰則導入を検討する方針を示した。中部電力の浜岡原発で判明した地震データ不正を受け、2027年にも原子炉等規制法を改正し、悪質事案では刑事告発を可能にする方向だ。

ハイライト

  • 原子力規制委員会は2027年にも原子炉等規制法を改正し、原発審査での虚偽申請に刑事告発を可能とする方針を示した。
  • 今回の方針は中部電力浜岡原発の再稼働審査で発覚した地震データ不正を受けたもので、同社には6回の立ち入り検査が実施済み。
  • 罰則導入や記録管理強化が実現すれば、電力会社の審査コスト増や内部統制見直しの動きが加速する可能性がある。

制度改正の方向性と検討項目

Nikkeiによると、原子力規制委員会は27日の定例会合で、原発の安全審査に虚偽申請があった場合の対応強化に向けた方針を表明した。現行制度では、審査書類に不正が見つかった際、規制委が事業者への立ち入り検査を実施したうえで、審査不合格や追加検査で対応している。

新たな制度では、原発の安全制度を定める原子炉等規制法を2027年にも改正し、悪質なケースでは事業者を刑事告発できるようにする考えだ。今後も議論を続け、制度の詳細は6月にも取りまとめる。

原子力規制庁の担当者は、意図的な不正を審査の過程で見抜くことは技術的に難しく、抑止力の向上が重要だと説明している。あわせて、地震の大きさを計算する手法の明確化や、地震と津波の影響評価に関する記録を事業者に保管させ、規制委が適宜確認する対応も盛り込む。

浜岡原発問題と電力業界への影響

今回の方針は、中部電力による浜岡原発の再稼働審査で発覚した地震データ不正を踏まえたものだ。ただ、導入を検討する罰則は中部電力の事案には適用されない。

会合では中部電力への検査状況も報告され、同社本社にはこれまで6回の立ち入り検査を実施し、地震データ作成の経緯を調べている。中部電力が設けた第三者委員会の調査報告書はまだ公表されておらず、規制庁の担当者は事実関係の全体像を明らかにできる段階ではないとしている。

審査資料の信頼性確保は、原発再稼働の可否だけでなく、電力会社のガバナンスや規制対応コストにも直結する。罰則と記録管理の強化が実現すれば、電力業界には審査データの作成手続きや内部統制の見直しが広がる可能性がある。

当社の以前の記事では、ニデックで会計上の不正が発覚し、有価証券報告書の虚偽記載の有無を巡って証券取引等監視委員会の調査に直面している点を取り上げました。第三者委員会の認定内容を踏まえ、当局の検証結果が財務開示の信頼性や企業統治の立て直しに直結する局面であることを整理しています。

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