日本の原油輸入単価、代替調達コスト増で過去最高圏が続く

日本の原油輸入単価、代替調達コスト増で過去最高圏が続く
原油輸入単価が最高値

中東情勢の混乱を受けて日本の原油調達構造が変化し、輸入単価の上昇が貿易収支にも重荷となっている。5月の原油輸入単価は1キロリットルあたり11万4076円となり、1979年以降で最も高い水準を2カ月連続で更新した。

ハイライト

  • 5月の日本の原油輸入単価は前年同月比67.2%高い1キロリットルあたり11万4076円と過去最高圏を記録。
  • 原油調達先が中東からU.S.や中南米、アジア地域へシフトし、U.S.産は12万2251円、中東以外アジア産は13万7759円と高コスト化。
  • 5月の日本の貿易収支は3786億円の赤字で、原油輸入コスト上昇が輸入額増加と収支悪化の主因となった。

5月統計に表れた調達先の変化

According to Nikkei, 財務省が17日に公表した貿易統計速報によると、5月の原油輸入単価は前年同月比67.2%高い1キロリットルあたり11万4076円となる。4月比でも12.5%上昇し、ホルムズ海峡を通過しない代替調達の拡大がコストを押し上げている。

日本の原油輸入量は5月に472万キロリットルと前年同月から57.3%減る。一方で、過去最少だった4月からは5.5%増えており、代替調達の拡大が下支えしている。地域別では中東からの輸入量が61.9%減る一方、U.S.からは24.0%、中東を除くアジアからは66.2%それぞれ増えている。

経済産業省は、U.S.や中南米、中央アジアなどからの調達が進んでいると説明する。5月の輸入単価は中東産が1キロリットルあたり11万2382円だったのに対し、U.S.産は12万2251円、中東以外のアジア産は13万7759円と、代替先の原油がより高値となっている。

原油高と輸送費上昇が貿易収支を圧迫

財務省の担当者は、単価上昇の背景として世界的な原油価格の高騰を挙げる。加えて中東産以外の調達では、輸送距離が長くなりやすく、運賃や保険料の上昇も負担になっているという。

国際原油価格は5月まで高止まりしていた。WTIの期近物は2月末の中東軍事衝突前には1バレル60ドル台だったが、5月は100ドル前後で推移した。その後、U.S.とイランが戦闘終結に向けた覚書に署名し、市場は反応して日本時間17日朝のWTI期近7月物は1バレル80ドルを下回る。

SOMPOインスティチュート・プラスの小池理人上級研究員は、U.S.とイランの和平が進展すれば原油の輸入単価は徐々に下がる可能性があるとみる一方、戦闘前の水準に戻るかは不透明で時間もかかると指摘する。5月の日本の貿易収支は3786億円の赤字で、4カ月ぶりの赤字となる。輸出は前年同月比17.0%増の9兆5115億円、輸入は12.5%増の9兆8902億円で、半導体関連取引の増加に加え、原油輸入コストの上昇が輸入額を押し上げている。

当社の以前の記事では、米国とイランの戦闘終結に向けた暫定合意を受けて原油相場が急落し、ホルムズ海峡の再開期待が市場心理を支えた点を整理しました。一方で、海運・保険の再設定や供給網の再稼働には時間がかかり、供給正常化と価格の安定にはなお不確実性が残ることも指摘しています。

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