アジア市場は米・イラン暫定合意観測でまちまち、原油は80ドル割れで推移

アジア市場は米・イラン暫定合意観測でまちまち、原油は80ドル割れで推移
アジア市場と原油急変

米国とイランの戦争終結に向けた暫定合意の詳細を市場が見極める中、17日のアジア株式市場は高安まちまちとなり、原油相場は1バレル80ドルを下回って推移している。ホルムズ海峡の再開期待が原油の急落後の安定につながる一方、米連邦準備制度理事会の政策判断や中東情勢の不確実性が投資家心理を左右している。

ハイライト

  • ブレント原油先物は0.3%安の1バレル78.76ドル、WTIは0.4%安の75.78ドルと下落し続けている。
  • 日経平均株価は497.75ポイント高の6万9902.25で推移、5月輸出は前年同月比17%増と好調。
  • ハイテク株売りでS&P500が0.6%安の7511.35、Nasdaqは1.2%安の2万6376.34、Nvidiaは2.4%下落。

中東情勢と金融政策が市場の焦点

Japan Today Businessによると、原油価格は戦争終結への楽観で前日に大きく下落した後、17日序盤は落ち着いた値動きとなっている。ブレント原油先物は0.3%安の1バレル78.76ドル、WTIは0.4%安の75.78ドルで推移し、戦争開始前の2月下旬にみられた約70ドルの水準はなお上回っている。

HSBCのエコノミストは今週のリポートで、石油供給の正常化には時間がかかると指摘している。機雷除去、保険の再設定、湾岸地域の余剰在庫の解消、船舶の再配置、生産停止油田の再稼働などが障害になるとしている。

米国では連邦準備制度理事会が16日に2日間の会合を開始し、新議長Kevin Warshの下で初の政策判断を17日に公表する予定となっている。Donald Trump米大統領は景気刺激へ利下げを求めているが、イラン戦争に伴うエネルギーショックでインフレ懸念が強まっており、市場では政策金利据え置きの見方が大勢だ。

Morningstarの米国チーフエコノミスト、Preston Caldwell氏は、賃金と家賃の伸びが弱く、エネルギー価格ショックが和らげばインフレは大きく鈍化する可能性があると分析している。その上で、2026年にFedが利上げするとは見込んでいないと述べている。

日本株高とハイテク株安が交錯

東京市場では日経平均株価が前日比497.75ポイント高の6万9902.25で推移し、取引時間中には7万0125まで上昇している。日本の5月輸出は前年同月比17%増となり、ハイテク製品への強い需要が支えになっている。

一方、韓国総合株価指数は大型ハイテク株の下落を受けて0.2%安の8706.10となり、Samsung Electronicsは1.9%下落している。香港ハンセン指数は0.8%安の2万4273.95、上海総合指数は0.1%安の4089.26で、台湾加権指数も0.5%下落している。これに対し、オーストラリアのS&P/ASX 200は0.5%高の8965.30、インドのSensexは0.3%上昇している。

前日のWall Streetでは、S&P 500種株価指数が0.6%安の7511.35、Nasdaq総合指数が1.2%安の2万6376.34となり、人工知能関連株への過熱懸念が重荷となっている。Nvidiaは2.4%安、Broadcomは4.4%安、Micron Technologyは6.2%安だった一方、Dow Jones工業株30種平均は0.6%高の5万1999.67で過去最高値を更新している。

個別では、Wall Street上場後3日続伸となるSpaceXが4.8%上昇し、Yum BrandsはPizza Hutを27億ドルで売却すると発表したことを受けて1.9%高となっている。為替市場では17日序盤、ドルは160.42円から160.30円へ下落し、ユーロは1.1608ドルから1.1612ドルへ上昇している。

当社の以前の記事では、イラン戦争終結とホルムズ海峡再開に向けた暫定合意を受けて、アジア株が急伸し原油相場が急落した市場の反応を整理しました。合意発表でリスク選好が強まった一方、海運・保険の見直しや供給網の再稼働には時間がかかり、価格の安定には数カ月を要する可能性がある点も指摘しています。

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