中国事業のリスク拡大、重電大手の邦人社員が拘束
中国で対日輸出規制が強まるなか、重電大手の中国現地法人に所属する日本人社員が5月に遼寧省大連で拘束されたことが24日に分かった。中国が輸出管理を強化しているレアアース関連物品の国外持ち出しが法令違反と見なされた可能性があり、日中間の事業運営リスクへの懸念が広がっている。
ハイライト
- 中国税関当局が重電大手現地法人の日本人社員を5月に大連で拘束、レアアース輸出規制違反の疑いが背景。
- 中国政府は日本による台湾発言への対抗措置として1月から軍民両用品目に対日輸出規制強化を実施し管理品目の厳格化を進行。
- 新たな邦人拘束を受け、日本企業では中国での物流・調達に伴う法務・コンプライアンス対応やリスク管理の重要性が一段と高まっている。
拘束の経緯と規制対象の焦点
日本経済新聞によると、拘束されたのは重電大手の中国現地法人に所属する日本人社員で、複数の関係筋が5月の大連での拘束を明らかにしている。問題となったのは、中国が輸出管理を強化しているレアアース関連の物品を国外へ持ち出そうとした行為とみられ、中国当局が法令違反の恐れがあると判断した可能性がある。関係筋によると、中国の税関当局がレアアースの輸出規制に関連してこの社員の行為を問題視したとみられる。具体的な容疑内容は明らかになっていないが、反スパイ法違反の疑いではないという。
日中関係の緊張と企業への波及
中国政府は、台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁に反発し、事実上の対抗措置として1月に軍民両用品目の対日輸出規制強化を始めている。今回の拘束は、こうした規制強化の流れのなかで起きており、レアアースを含む管理品目の取り扱いが一段と厳格化していることを示している。日中関係が冷え込むなかで新たな邦人拘束が表面化したことで、日本企業の間では中国での物流、通関、資材調達を巡る法務・コンプライアンス対応の重要性が増している。とりわけ重電や素材などレアアース関連のサプライチェーンに関わる業種では、対中ビジネスの継続コストと運営リスクへの警戒が強まりそうだ。
当社の以前の記事では、中国がレアアースやデュアルユース技術を対象に輸出管理を強化し、Appleを含む企業のサプライチェーンに不確実性が広がっている点を整理しました。重要素材へのアクセスが制約されることで、生産継続やコスト構造に短期〜中期のリスクが高まる可能性があること、また市場ではボラティリティ上昇が意識されていることを伝えています。
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