都心6区の中古マンション成約価格は上昇維持、物件の評価格差も拡大

都心6区の中古マンション成約価格は上昇維持、物件の評価格差も拡大
都心中古マンション価格上昇

東京都心6区の中古マンション市場では、売り出し価格の横ばい観測とは別に、実際の成約価格がなお上昇基調を保っています。平均価格の動きだけでは捉えにくい物件ごとの評価差も広がっており、購入時の選別がいっそう重要になっています。

ハイライト

  • 都心6区の中古マンション成約価格指数は2026年5月に144.8となり、前年同月の138.4を上回り上昇傾向を維持。
  • 上位5%物件のプレミアムは2022年末の標準価格比約37%から2025年に約47%へ拡大し、格差が顕著に増加。
  • 下位5%物件の割引幅も2022年末の約27%から2025年に約33%へ拡大し、物件選別の重要性が高まっている。

成約データが示す価格動向

日本経済新聞に掲載された不動産コンサルタント田中歩氏の分析では、築年数や専有面積、駅からの徒歩分数、所在区などの条件を調整した成約価格指数を用いて、都心6区の中古マンション市場を検証しています。2022年12月を100とした指数は2026年4月に151.9、5月に144.8となり前月からは大きく低下したものの、前年同月の138.4は上回っています。

12カ月平均でも2026年4月は149.3、5月は149.8となっており、上昇基調は維持されています。このため、少なくとも成約価格ベースでは都心6区の中古マンション価格が横ばいに入ったとは言い切れず、今後の推移を見極める必要がある状況です。

選別強まる市場の評価構造

同分析では、個別物件が標準的な推定価格に対してどの程度高く、あるいは低く評価されるかを示す「価格プレミアム」も比較しています。その結果、2022年から2024年にかけて都心6区内の評価格差が広がり、上位5%の物件は2022年末に標準価格比で約37%高かった評価が、2025年にかけて約47%まで拡大しました。

一方、下位5%の物件は2022年末時点で標準価格より約27%低い評価でしたが、2025年にはその差が約33%まで広がっています。相対的に高く評価される物件はさらに高く、低評価の物件はさらに低く評価される傾向が強まっている形です。

従来は都心と郊外といった地域単位での見方が中心でしたが、同じ都心6区でも物件選別が進んでいる可能性があります。ブランド力、眺望、管理状態など分析に直接織り込んでいない要素も影響しているとみられ、今後は平均価格だけでなく、どの物件が市場で選ばれているかを見極める視点が不動産市場の理解に重要になりそうです。

当サイトの以前の記事では、2026年分の路線価が全国平均で前年比2.9%上昇し、5年連続でプラスとなった点を解説しました。都市部の住宅・オフィス需要や訪日客増加が地価を押し上げる一方、地域によっては下落もあり、地価の「地域間格差」が広がっている状況も整理しています。

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