日本特殊陶業、2030年3月期へ中計刷新, セラミック中核に内燃機関と新規3分野へ集中投資

日本特殊陶業、2030年3月期へ中計刷新, セラミック中核に内燃機関と新規3分野へ集中投資
セラミックで次世代投資

電気自動車の普及が想定より緩やかになるなか、日本特殊陶業は2030年3月期までの5年間を対象とする新たな中期経営計画で、既存の内燃機関事業を引き続き重視する方針を示しています。あわせて、培ってきたセラミック技術を中核資産と位置づけ、「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」の3分野で新たな成長を目指しています。

ハイライト

  • 日本特殊陶業は2030年3月期に向けセラミック技術を核に内燃機関、半導体、環境の3分野へ集中投資方針を発表。
  • EV普及ペースの想定下振れを受け、内燃機関事業への注力も継続しつつモビリティ分野で新製品・グローバル展開を推進。
  • 半導体製造装置や燃料電池・水素製造向け専用部品で既存技術の応用拡大し、事業ポートフォリオの再構築を目指す。

2030年3月期に向けた中計の重点領域

日本経済新聞に掲載された鈴木啓司社長の説明によると、今回の計画は事業の裾野を広げるよりも、自社の強みへ立ち返って新しい価値を生み出すことを柱に据えています。最終目標は「地球を輝かせる企業」で、セラミック技術などの「コア・アセット」を最大限活用できる得意分野へ集中投資する考えです。

前回の中期経営計画では、連結売上高の約8割を内燃機関事業が占める構造の転換を打ち出していました。ただ、EVの普及ペースは当初想定より遅い見通しとなっており、今回は内燃機関事業にも引き続き強く取り組む姿勢を改めて示しています。

創立90周年を迎える同社は、スパークプラグや排ガス浄化用センサーで築いた事業基盤を成長投資の出発点としています。モビリティ分野では、主力の内燃機関関連製品に加え、グループ会社Niterra Materialsの窒化ケイ素技術を生かし、セラミックボールやEV電源用インバーター向け放熱基板をグローバル販路に乗せる計画です。

半導体と環境分野への波及効果

半導体分野では、製造装置向けの静電チャックなどセラミック部品を展開しています。半導体の微細化が進むほど装置の高度な制御が必要になり、部材に求められる性能も厳しくなるため、同社は自社技術の貢献余地が広がるとみています。

環境・エネルギー分野では、セラミック材料を使う燃料電池や、水素製造への応用を中長期の成長テーマに位置づけています。水素社会への貢献を視野に入れつつ、既存技術の展開先を広げることで、事業ポートフォリオの再構築を進める構えです。

記事では、経営資源を有望分野へ集中する重要性も論点として示されています。日本特殊陶業にとっては、EV化対応で掲げた構造転換を踏まえつつ、セラミックを核に新規事業をどう収益化するかが、次の中期経営計画の実行局面で問われることになります。

当サイトの以前の記事では、日印首脳会談に合わせて開かれた「日印経済フォーラム」を取り上げ、半導体や次世代エネルギー(バイオガス、再エネ由来アンモニア、蓄電池サプライチェーン)を軸に協力が投資案件として具体化している点を整理しました。129件・約2兆円規模の協力が示され、供給網強化やエネルギー安全保障の観点から、対印民間投資の拡大目標を後押しする動きとして位置づけられました。

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