クレジットカード決済代行を手掛ける全東信の破産手続き開始を受け、地域金融機関や信用組合に広く与信が及んでいる実態が明らかになっている。負債総額は1151億円で金融債権が大半を占め、金融庁は金融機関の財務や地元経済への波及を調べている。
ハイライト
- 全東信の破産で金融債権者は63社に上り、最大債権者は近畿産業信用組合で債権額は219億円となった。
- 東京スター銀行、東和銀行、山口銀行、大阪厚生信用金庫もそれぞれ60億円以上の貸付があり、回収不能債権が多発する可能性が高い。
- 金融庁が地元経済や取引先企業の資金繰りへの波及を調査しており、地域金融機関を含めた損失拡大が懸念されている。
債権者構成と申立書の内容
日本経済新聞(Nikkei)が東京商工リサーチの公表を引用して報じたところによると、全東信の金融債権者は地銀、信金、信組など計63社に上る。全東信が裁判所に提出した破産申立書を基に、債権者名と金額が取りまとめられた。最大の債権者は大阪市の近畿産業信用組合で、債権額は219億円だった。金額が大きい先ではこのほか、東京スター銀行、東和銀行、山口銀行、大阪厚生信用金庫がそれぞれ60億円以上を貸し付けていた。
第一勧業信用組合や大光銀行、静岡銀行など、関西以外の地域を地盤とする金融機関も目立つ。保全されていない、あるいは回収不能となる可能性がある債権も多いとみられる。
金融機関と地域経済への波及
金融庁は、金融機関の財務への影響に加え、全東信の取引先の経営状況など地元経済への余波の調査を進めている。与信の広がりが地域金融機関にまたがっているため、個別行の損失処理だけでなく、取引先企業の資金繰りへの影響も焦点になる。全東信は、消費者がクレジットカードで支払った代金を立て替える形で、カード会社より先に店舗へ支払うサービスを展開し、加盟店を増やしていた。取引先には銀行から資金を借りにくい飲食店も多く、破産の影響は決済手段や運転資金の確保にも及ぶ可能性がある。
当社の以前の記事では、決済代行会社の全東信で長期にわたる粉飾決算の疑いが浮上し、帳簿上の純資産とは異なり大幅な債務超過に陥っていた可能性を整理しました。破産手続きの開始と財務不正疑惑が重なることで、加盟店の資金繰りや決済インフラ、業界の資金管理体制への懸念が強まる点を取り上げています。
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