日本の下水道事業、人口減少を受け縮小判断を可能に

日本の下水道事業、人口減少を受け縮小判断を可能に
下水道事業、縮小へ転換

人口減少とインフラ老朽化が同時に進むなか、改正下水道法の成立で自治体は採算見通しを踏まえた下水道事業の縮小を進めやすくなった。従来の普及拡大から維持と再編へ政策の軸足が移ることで、地域ごとの処理方式の見直しが今後の運営課題になる。

ハイライト

  • 改正下水道法が15日に成立し、人口減少地域で自治体が下水道から個別処理への移行を正式に判断できる手続きが明確化された。
  • 埼玉県八潮市の2025年道路陥没事故を機に老朽管維持管理が注目される一方、人口減と財源減少に伴う事業継続か転換の判断が各自治体に委ねられる。
  • 国内の2025年出生数は67万人余りと10年連続過去最少を記録し、水インフラ全体の分散型システム導入と国の環境整備が急務となっている。

法改正が促す下水道再編

日本経済新聞によると、15日に成立した改正下水道法では、利用者が減少する地域で自治体が下水道を廃止し、各家庭の浄化槽などを使う個別処理へ移行できる手続きが明確になった。下水道普及率は1965年度末の8%から2024年度末には81.8%まで高まっており、今回の制度改正は拡大路線からの転換と位置付けられる。

改正の契機の一つは、2025年1月に埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故だ。老朽化した下水道管の破損が原因で、自治体に維持管理の強化を求める必要性が改めて浮き彫りになった。

一方で、維持管理の強化だけでは対応しきれない面もある。人口減少で担い手と財源が細るなか、老朽管を抱えたまま事業を維持するのか、個別処理へ切り替えるのかを、各自治体が住民との対話を通じて判断することが重要になる。

人口減少下のインフラ運営課題

厚生労働省の人口動態統計によると、2025年に国内で生まれた日本人の子どもは67万人あまりで、過去最少を10年連続で更新した。国立社会保障・人口問題研究所の推計も下回っており、出生率が改善しても人口増加に転じる難しさが示されている。

こうした人口動態を踏まえると、下水道だけでなく上水道も人口減を前提に再設計する必要がある。国土交通省は、給水人口が100人以下となる地域に対し、小型の浄水装置などを用いる分散型システムへの移行を促しており、小規模自治体でも検討できるよう国による助言や環境整備が求められる。

当社の以前の記事では、国会の党首討論で消費税減税が主要争点として浮上し、各党が減税と給付、住民税減税など支援策の組み合わせを巡って立場の違いを鮮明にした点を整理しました。とりわけ、減税によって生じる社会保障財源の穴をどう埋めるのか、終了時の負担増にどう備えるのかがなお不透明で、市場の信認や制度の安定性への懸念が残ることを指摘しています。

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