日本、種苗流出対策を強化する改正種苗法が成立

日本、種苗流出対策を強化する改正種苗法が成立
種苗流出防止へ改正

日本では農産品の種や苗の海外流出が課題となるなか、改正種苗法が17日の参院本会議で可決、成立した。シャインマスカットの海外流出による損失は年200億円弱にのぼると試算されており、政府は知的財産保護の強化で農業ブランドの防衛を急ぐ。

ハイライト

  • 改正種苗法が成立し、登録出願公表段階で種苗の輸出差し止めが可能となり、育成者権の存続期間も最大40年に延長される見込み。
  • 損害賠償制度が強化され、ライセンス契約に基づく許諾額を上回る高額請求が可能となり、12月1日に施行予定。
  • 気候変動対応品種法も可決し、研究施設利用や登録費用減免、出願料全額免除など品種開発支援が強化される見通し。

輸出差し止めと権利保護の強化

日本経済新聞によると、改正種苗法では登録出願が公表された段階で種苗の輸出を差し止められるようになる。現行制度では育成者権を取得しなければ輸出を止められず、出願公表から登録まで3〜6年ほどかかる審査期間中の流出が課題となっていた。

新制度では、侵害を受けた際の損害賠償額について、ライセンス契約を結んでいた場合に支払われたはずの許諾相当額より高く設定できるようにする。12月1日に施行する見通しで、育成者権の存続期間も10年延長し、果樹は40年、その他は35年となる見込みだ。

気候対応品種の育成支援と農業への影響

同日には、高温耐性などの特徴を持つ品種育成を後押しする気候変動等対応品種法も可決、成立した。企業や大学、都道府県などが策定する計画を農相が認定し、農業・食品産業技術総合研究機構の研究施設を利用できるようにするほか、計画に基づいて開発した品種の登録費用を減免し、出願料は全額免除を想定している。

2025年の農林水産省調査では、日本で開発されたイチゴ、かんきつ類、ブドウなど約50品種が中国や韓国に流出した可能性がある。直近では愛媛県が開発した高級かんきつ「紅プリンセス」の苗木が海外に流出した疑いも判明しており、今回の制度改正は品種保護と研究開発投資の回収を支える農業政策として業界への影響が大きい。

当サイトの以前の記事では、日本の製造業でのAI活用を後押しするため、ソフトバンクやソニーグループ、ホンダなどが参画する企業連合が新会社Noetraを立ち上げ、フィジカルAIの共通基盤づくりを進める動きを取り上げました。国費による大規模な計算基盤整備や研究機関との連携を通じて、現場データとAIを融合し産業競争力を高める狙いが示されています。

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