日銀調査で銀行融資の利ざや拡大DIが17年ぶり高水準、追加利上げで収益環境改善

日銀調査で銀行融資の利ざや拡大DIが17年ぶり高水準、追加利上げで収益環境改善
銀行利ざや拡大鮮明

日銀の追加利上げを受け、国内の主要金融機関で企業向け融資の採算改善が進んでいる。7月の主要銀行貸出動向アンケート調査では、利ざや設定の判断指数が約17年ぶりの高水準となり、先行きも拡大基調が続く見通しが示されている。

ハイライト

  • 日銀7月主要銀行貸出動向調査で、企業向け貸出の利ざや設定DIが上位格付け先でプラス12と17年ぶり高水準を記録。
  • 6月16日の日銀政策金利引き上げ(0.75%→1%)後、多くの銀行が融資利回りを引き上げ、利ざや拡大の動きが顕著化。
  • 企業資金需要のDIはマイナス1と2021年10月以来の低水準に転落し、全体で慎重な需要見通しが強まっている。

利上げ後の貸出採算と調査結果

日本経済新聞が伝えた日銀の7月の主要銀行貸出動向アンケート調査によると、企業向け貸し出しの利ざや設定の変化を示す判断指数(DI)は大きく改善している。調査は全国の銀行や信用金庫のうち貸出残高上位50先を対象に四半期ごとに実施し、今回は6月9日から7月8日までを調査期間としている。

日銀は6月16日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%から1%に引き上げており、多くの銀行が融資利回りの引き上げに動いたことが今回の結果に表れている。利ざやは貸出金利と預金金利の差を指し、DIは3カ月前と比べて利ざや設定を「拡大した」と答えた金融機関の割合から、「縮小した」と答えた割合を差し引いて算出する。

今回は上位格付け先向けでプラス12となり、4月調査から4ポイント上昇した。中位格付け先は4ポイント拡大してプラス10、下位格付け先は6ポイント上昇してプラス12となっている。

今後の利ざや設定の方針を示すDIは、上位格付け先でプラス6、中位と下位格付け先でそれぞれプラス8だった。銀行の間では、企業向け融資の利ざやを引き続き拡大する姿勢が維持されている。

企業の資金需要と銀行業界への含意

一方で、企業の資金需要の強さを示すDIはマイナス1となり、4月調査から5ポイント低下した。マイナスとなるのは2021年10月以来で、需要の増勢にはやや一服感が出ている。

このDIは、貸し出し需要が「増加した」と答えた割合から「減少した」と答えた割合を引いて算出する。50の金融機関のうち43行が「横ばい」と回答しており、需要の急減ではなく、全体として慎重な見方が広がっている状況がうかがえる。

利ざやの改善は銀行収益の下支え要因になる一方、資金需要の鈍化が続けば貸出残高の伸びには制約がかかる可能性がある。追加利上げ後の局面では、貸出価格の改善と需要動向のバランスが銀行業界の収益環境を左右しそうだ。

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