生成AIの学習データを巡る権利者と利用者の懸念が広がるなか、政府は事業者に透明性向上を促す新たな行動原則を示す。法的強制力は持たないが、日本向けサービスを提供する海外事業者も対象に含め、知財保護と技術革新の両立に向けた対話の土台づくりを進める。
ハイライト
- 内閣府は25日、生成AI事業者に学習データやモデルの概要開示を促す知財保護の基本原則「プリンシプル・コード」を策定した。
- 原則は日本法人以外でも国内向けAIサービス提供企業を含み、事業者リストや各社の開示情報を公表する方針。
- 法的強制力はなく説明責任方式を採用、海外大手の対応や実効性、国際ルールへの影響が注目されている。
原則の内容と対象範囲
日本経済新聞によると、内閣府は25日、生成AI事業者に知的財産権の保護やデータ取得方法の透明性確保を求める基本原則「プリンシプル・コード」を策定した。企業に対し、学習データに関する情報開示や説明を自主的に進めるよう促し、クリエーターらの権利保護につなげる狙いがある。原則は、学習方法やモデルの種類などの概要開示、権利者からの照会への回答、AI利用者からの照会への回答の3項目を柱とする。文章や画像など大量のデータを学習する生成AIでは、どのデータを集め、どう学習に使ったのかが外部から見えにくく、権利者と利用者の双方から懸念が出ている。
対象は国内企業に限らず、日本に本店や主たる事務所がない事業者でも、日本向けのAIシステムやサービスを提供していれば含まれる。内閣府は原則を受け入れた事業者の一覧や、各社が公表したホームページのリンクも公表する方針だ。
実効性と国際ルール形成への影響
この基本原則に法的な強制力はなく、受け入れない事業者には説明を求める「コンプライ・オア・エクスプレイン」の方式を採る。実効性は企業がどこまで踏み込んで情報を開示するかに左右され、とりわけ海外の大手AI事業者が日本独自の原則にどこまで個別対応するかは見通しにくい。生成AIを巡る国際的なルールづくりはなお途上にあり、U.S.や欧州でも学習データと著作権の関係をどう整理するかの議論が続く。政府はまず国内で一定の行動原則を示し、事業者、権利者、利用者の3者が対話しやすい環境を整えたうえで、運用状況や国際動向を踏まえて必要に応じて見直しを進める方針だ。
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