Advance Create株、東証が特設注意市場銘柄に指定、上場契約違約金3360万円を賦課

Advance Create株、東証が特設注意市場銘柄に指定、上場契約違約金3360万円を賦課
Advance Createに東証処分

東京証券取引所は、Advance Createの株式を特設注意市場銘柄に指定し、上場契約違約金3360万円を科す。2021年9月期から2026年9月期第1四半期にかけての虚偽開示や不適切会計が対象となり、内部管理体制の改善が強く求められている。

ハイライト

  • 東証はAdvance Create株(8798)を2026年9月29日付で特設注意市場銘柄に指定し、上場契約違約金3360万円を賦課した。
  • 不適切会計の訂正で2022年9月期の純資産が債務超過に転落、2023年・2024年9月期も債務超過額が拡大した。
  • 経営陣主導の組織的不正と監査証憑捏造を東証が認定し、抜本的な内部管理体制の改善を求めている。

指定内容と処分の背景

Japan Exchange Groupの公表によると、東京証券取引所はAdvance Create株式、コード8798、プライム市場を2026年9月29日付で特設注意市場銘柄に指定する。あわせて、適時開示義務違反により株主や投資家の市場への信頼を損なったとして、上場契約違約金3360万円を賦課する。

今回の判断は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づく。東証は、同社が適時開示に関する規定に違反し、内部管理体制の改善が高度に必要な状態にあると認定している。

同社は2026年8月4日に第三者委員会の調査報告書を開示し、同8月14日には過年度決算短信の訂正を開示した。これにより、同社と連結子会社Hokenichiba Co., Ltd.が営むメディア事業で、売上高の前倒し計上、実態を反映しない取引の計上、費用の繰り延べ、資産の過大計上が行われていたことが明らかになった。

訂正の結果、2022年9月期の純資産は正から債務超過に転落し、2023年9月期と2024年9月期には債務超過額が拡大した。2022年9月期の営業利益と経常利益は黒字と表示されていたが実際は赤字で、親会社株主に帰属する当期純損失も従来公表値より30%以上大きかった。

統治不全と市場への影響

東証は、不適切会計が当時の取締役やHokenichibaの代表取締役の主導で行われたと認定している。さらに、当時の管理担当執行役員の一部関与のもと、監査法人を欺くための監査証憑の捏造などに保険会社や取引先を巻き込んだ行為も確認され、公正な監査の前提を逸脱する組織的な不正と判断した。

背景には、創業者でもある代表取締役社長が設定した売上目標の達成を最優先する企業風土があった。役職員が財務諸表の虚偽記載につながる行為をためらわない環境が生まれ、会計監査人がメディア事業の不適切会計の可能性を繰り返し指摘していたにもかかわらず、取締役会や監査役会、社外役員で体系的に共有、検討されていなかった。

経理部門では責任者の交代が頻繁で、売上計上時の証憑確認など監督機能が不十分だった。内部監査部門も不適切会計の発見につながり得る不備を把握しながら、原因調査やフォローアップ、経営陣への報告を十分に行わず、いわゆる第2線、第3線の防衛機能が働かなかった。

また、2025年の過年度決算訂正時点でも、不適切会計に関与した少なくとも一部の役職員らが問題を認識しながら開示しなかったため、正確な財務情報の公表につながらず、不正確な情報開示が続いた。東証は、同社が2026年8月13日に再発防止策を公表した後も、投資判断に重要な影響を及ぼす虚偽開示の性質を踏まえ、内部管理体制の抜本的な改善が必要だとしている。

TOPIXの採用基準見直しについて、当社の以前の記事では、10月から浮動株時価総額の累積比率(上位97%以内)などを軸に構成銘柄の選別が本格化する点を整理しました。連動資金が巨額な指数だけに、除外やウエート低下は企業の株価や株主構成に影響し得る一方、資本効率やガバナンスを含む経営戦略の見直しを促す流れになると解説しています。

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