トラックドライバーの運送や荷役の効率化を促す物流効率化法を踏まえ、荷主や物流事業者の現場対応の進捗が明らかになった。調査では、積載効率の向上や荷待ち時間の短縮に向けた取組が広がる一方、関係者連携や設備投資を要する分野では実施の遅れも示されている。
ハイライト
- 調査結果では、荷主の85%が積載効率向上のための「積合せや帰り荷確保」に対応し、83%が関係部門間連携を実施。
- トラック事業者・倉庫業者は単独実施可能な項目の達成率が高い一方、連携や設備投資が必要な施策の進捗は低水準に留まる。
- 手摘み作業やパレット養生不足による荷待ち5時間超の現場が残存し、経済産業省は今後指導・助言に調査結果を活用予定。
調査の実施時期と主な結果
経済産業省の公表によると、調査はトラック事業者を対象に令和7年11月25日から令和7年12月24日まで、トラック事業者以外を対象に令和7年12月22日から令和8年1月31日まで実施している。対象は荷主・連鎖化事業者、トラック事業者、倉庫業者で、案内はがきの送付や関係業界団体からの通知を通じて協力を求め、Webアンケートで回答を集計している。結果概要では、荷主・連鎖化事業者と倉庫業者の多くで、判断基準に示された取組のうち半数を超える項目を実施している。荷主では、積載効率の向上に向けた「積合せや帰り荷の確保等を行うための時間確保」が85%、「関係部門間の連携」が83%となり、比較的高い実施率を示している。
物流現場に残る課題と政策運用への示唆
一方で、物流事業者であるトラック事業者と倉庫業者では、単独で進められる項目の実施率が高い傾向にある半面、関係者との連携が必要な取組や設備投資を伴う取組は低水準にとどまっている。制度対応が進む中でも、事業者間の調整やコスト負担がボトルネックとして残っている構図がうかがえる。回答企業からは、予約システムの導入や積込時間の共有、伝票の事前準備によって荷待ちのゼロ化やドライバーの時間活用が進んでいるとの声が出ている。その一方で、手摘み・手降ろしやパレット養生不足など荷主側の改善が進まず、荷待ちが5時間を超える現場もなお発生しているとしており、経済産業省は今後の指導や助言の参考材料として今回の結果を活用していく考えだ。
当社の以前の記事では、公正取引委員会がミネベアアクセスソリューションズに対し、中小受託取引適正化法に基づく初の勧告として、無償荷役の強要や無償保管などを巡る再発防止を求めた点を整理しました。あわせて、2024年以降の規制強化で発荷主から運送事業者への委託も監視対象に広がり、荷待ち・荷役時間の計測や報告義務、罰則を伴う枠組みが整いつつあることも伝えています。
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