政府が年末までに高齢者医療の自己負担改革の工程表をまとめる方針のなか、財政制度等審議会の分科会は4日、年齢にかかわらず医療費の窓口負担を原則3割とする方向を打ち出した。2029年から75歳以上に反映する金融所得の扱いを65歳以上へ広げるよう求めており、高齢者医療の負担基準全体を見直す議論が広がっている。
ハイライト
- 財政制度等審議会の分科会は高齢者医療の窓口負担について年齢を問わず原則3割とする見直しを提起した。
- 政府は2029年8月から75歳以上の金融所得を医療費負担判定に用いる計画で、分科会はこれを65歳以上に拡大するよう要望した。
- 分科会は70歳以上の外来特例(高額療養費制度)廃止も主張し、家計資産も勘案した制度改革の必要性を強調した。
負担割合見直しと金融所得反映の拡大要望
日本経済新聞によると、財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会は4日、医療費の窓口負担について「年齢によらず原則3割を目指すべきだ」と提起した。現在は70歳未満が3割、70〜74歳が2割、75歳以上が1割を原則としており、70歳以上でも現役並み所得者は3割、75歳以上でも一定所得があれば2割を負担している。政府は2029年8月から、75歳以上の高齢者について株式配当や譲渡益などの金融所得を把握し、保険料算定や窓口負担の判定に活用する予定だ。分科会はこの対象を65歳以上まで広げるよう求め、所得だけでなく資産面も含めた負担能力の反映を進めるべきだとの考えを示している。
増田寛也分科会長代理は記者会見で、現役世代との負担の公平を図るためには、高齢者にも応能負担を求める必要があると述べた。厚生労働省内では70歳以上の負担割合を1.5割や2.5割に細分化する案もあるが、増田氏は細かすぎる設計には慎重な見方を示し、原則3割が目指すべき姿だとの認識を示した。
家計資産と制度改革への波及
財政審は資料で、高齢者の5割を占める年収200万〜500万円の世帯は、高所得の若年層世帯と同程度の貯蓄残高を保有すると考えられると指摘した。高齢者には貯蓄も含めて一定の負担能力があるとし、年齢だけで低い自己負担を一律に維持する仕組みの見直しを促している。あわせて、70歳以上の一部が毎月定額で外来を受診できる高額療養費制度の外来特例についても、分科会は廃止すべきだとした。年末に向けて政府がまとめる改革工程表では、窓口負担の水準だけでなく、金融所得の扱いと外来特例の見直しが高齢者医療制度の主要論点になりそうだ。
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