ソフトバンク、国産AI新会社で8社出資を確保
ソフトバンクが設立した「日本AI基盤モデル開発」を巡り、NECやホンダなど8社が資本参加することが分かったと日経は12日に伝えている。新会社は官民連携で、ロボットや機械の自律制御に使うフィジカルAI向けの国産基盤モデル構築をめざし、NEDOの支援事業への応募も視野に入れる。米中勢が大規模AIモデルで先行するなか、国内でのデータ処理と機微情報の管理を重視した体制づくりが焦点になる。
ハイライト
- ソフトバンクの新AI会社にNEC、ホンダ、三菱UFJ銀行など8社が出資し、1兆パラメーター規模の大規模AIモデル開発を目指す。
- 新会社は2025年、シャープの旧工場施設をデータセンターに転用し、最先端GPUで国産AIの情報処理基盤を構築する計画。
- 政府は今後5年で1兆円規模のAI支援を想定しており、新会社はNEDO事業応募や国内AI主導による産業競争力強化を企図する。
出資体制と開発計画
ソフトバンクが設立した新会社には、NEC、ホンダ、ソニーグループのほか、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、日本製鉄、神戸製鋼所が出資する。AI開発企業のプリファードネットワークスも、基盤モデルの構築で連携する。新会社は2020年代に大規模AIモデルを開発する計画で、性能指標となるパラメーター数は国内最大級の1兆程度をめざす。文字に加え、画像、映像、音声といった異なる種類の情報を扱う能力も高める方針だ。30年度までには、機械やロボットと連携できる基盤づくりを進め、製造現場でのAI導入を後押しする。開発したモデルの普及に向けては、企業連合の組成も視野に入れる。金融、自動車、素材など各業界が持つ固有データを基盤モデルへ移植し、用途拡大を促す考えだ。
政府支援と国内インフラ整備
新会社は国の支援も求めており、近くNEDOが進める国産AIの開発支援事業に応募する予定だ。経済産業省は同事業などを通じ、今後5年で1兆円規模の支援を見込んでおり、新会社は有力な支援候補とみられる。国内企業による大型AI開発を後押しする政策と、民間の投資計画が連動する構図になっている。ソフトバンクはモデル開発と並行して、情報処理の拠点となるデータセンター整備も進める。2025年にシャープから取得した堺市の旧テレビ向け液晶パネル工場を、国産AIの中核拠点として活用する。最先端GPUを導入し、高度な情報処理を国内で完結できる体制を整える。製造業への波及と競争環境
大規模AIモデルの開発ではU.S.と中国勢が先行し、日本企業でもOpenAIやAnthropic、アリババ集団など海外勢の基盤モデル活用が広がっている。その一方で、設備稼働データなど機微情報をAIが扱う場面が増え、学習データの国外流出への懸念も強まる。国産モデルと国内データセンターを組み合わせることで、情報漏洩リスクを抑えながら、工作機械など高い秘匿性が求められる設備との連携を進める狙いがある。こうした取り組みは、製造業向けのフィジカルAI基盤を国内で整備する動きとして、金融、自動車、素材など幅広い産業に波及する可能性がある。出資企業の顔ぶれも、利用先を見据えた業種横断の布陣を映している。国産AIの実用化が進めば、日本企業のデータ主権や産業競争力の確保に向けた一歩になる。当社では以前、経済産業省が富士通や日本IBMによるAI半導体設計など3事業に最大約900億円を補助し、ラピダスの量産に向けた顧客基盤の形成を後押しする方針を報じました。あわせて、2026年度予算での研究開発支援や追加出資を含む累計3兆円規模の支援計画を通じ、国内の半導体エコシステム強化を狙う構図も整理しました。
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