中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇し、日本株では業種ごとの収益耐性の差が改めて意識されている。個人投資家の対談では、外食や食品メーカーに逆風が強まる一方、価格改定が進む一部企業には選別余地があるとの見方が示されている。
ハイライト
- イランのホルムズ海峡封鎖によりWTI先物が1バレル60ドル台から4月上旬に100ドル付近まで上昇し、外食・食品株のコスト圧迫が顕在化。
- ヨコレイは26年9月期第1四半期に価格改定効果で営業利益が前年同期比21%増、純利益9倍を記録し、価格決定力が評価材料となる。
- ネットスターズは25年12月期に黒字転換し、26年12月期の成長期待が残る中、資金流入は限定的で個別投資機会とされる。
原油高が映す銘柄選別の焦点
日経マネー(Nikkei)によると、米国とイスラエルによるイランへの攻撃開始から1カ月超が経過するなか、日本株市場では地政学リスクと原油高の影響を踏まえた物色が続いている。対談に参加した個人投資家のkenmoさんは、SNS上の悲観論に過度に左右されず冷静な売買が重要だとし、日経平均株価について5万1000円近辺を主な下値メドとみる一方、4万6000円台まで下落する可能性も想定している。
すぽさんは、3月の急落について日本株の過熱感の調整との見方を示しつつ、足元のU.S.株安は警戒材料だとしている。日米株は連動しやすく、U.S.株がさらに崩れれば日本株も再び急落する可能性がある一方、半導体関連を中心に業績の良い個別銘柄は多く、日本株が独自に評価される流れに期待を寄せている。
対談では、イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、WTI先物価格が攻撃前の1バレル60ドル台から4月上旬には100ドル前後まで上昇した点も材料視されている。kenmoさんは、インフレに伴う値上げで消費者の負担感が高まるなか、さらに燃料高によるコスト増が重なることで、外食銘柄への悪影響は大きいとの見方を示している。
すぽさんは、やまみのような食品メーカーは電力コストの比重が大きいうえ、生活必需品では急激な値上げが難しいため、原油高の影響を受けやすいと指摘している。高利益率の商品を持つ企業と異なり、食品分野ではコスト上昇の吸収余地が限られるとの見立てだ。
価格決定力と成長期待に注目
一方で、対談では原油高の局面でも評価されやすい企業の条件として、価格決定力の強さが挙げられている。kenmoさんは、冷蔵・冷凍倉庫を手がけるヨコレイに注目しており、26年9月期第1四半期は価格改定の効果で営業利益が前年同期比21%増、純利益が9倍となったことを評価している。背景には、特定フロン規制に伴う倉庫建て替え負担やインフレの進行で中小事業者の投資余力が乏しい一方、冷蔵・冷凍倉庫の需要は増えており、需給が逼迫している構図がある。こうした環境が大手による価格改定交渉を後押しし、原油高のなかでも市場評価を支えているという。
すぽさんは、相場全体が軟調でも個別分析次第で上昇を狙える銘柄はあるとして、QRコード決済などのプラットフォームを提供するネットスターズを挙げている。同社は25年12月期に黒字転換しており、26年12月期も成長余地が見込まれるものの、資金流入は限定的で投資機会になり得るとの見方だ。
また、ゴールデンウイークに向けた投資家向けの読書案として、すぽさんは國貞克則氏の『新版 財務3表一体理解法』を紹介し、財務諸表のつながりを理解する重要性を強調している。kenmoさんは羽生善治氏の『大局観 自分と闘って負けない心』を挙げ、市場環境の変化に応じて自らの投資スタイルを見直す姿勢が株式投資にも通じるとしている。
当社の以前の記事では、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受けて、世界の海上物流が特定のチョークポイントに集中しているリスクを整理しました。代替航路が限られる海域では迂回による輸送日数の長期化やコスト増が起こりやすく、エネルギー供給やサプライチェーン全体に波及し得る点を指摘しています。
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