自民党推薦候補、地方市長選で苦戦 13選挙中7敗で組織戦略見直し圧力

自民党推薦候補、地方市長選で苦戦 13選挙中7敗で組織戦略見直し圧力
自民党候補、地方で苦戦

19日投開票の各地の市長選で、自民党が推薦・支持した候補は13選挙のうち7選挙で敗れ、政権支持率の高さが地方票に十分結びついていない状況が浮かんでいる。2月の衆院選で自民候補が勝利した小選挙区を含む地域でも敗北が出ており、2027年春の統一地方選を前に地方での戦い方が改めて問われている。

ハイライト

  • 自民党推薦候補は直近13地方市長選で7敗し、組織戦略や候補者擁立の見直し圧力が強まっている。
  • 高市内閣の支持率は3月世論調査で72%と高水準だが、地方選では自民党推薦候補の敗北が続き、国政との投票傾向に乖離が生じている。
  • 地方選では福祉や地域経済など暮らしの課題が重視され、有権者は国政と地方で投票行動を分けているとの分析が党内外から出ている。

市長選の敗北と党執行部の受け止め

日本経済新聞によると、高市早苗首相は20日に首相官邸で西村康稔選挙対策委員長から選挙結果の報告を受けている。西村氏は面会後、記者団に対し、結果は分析の途中としたうえで、刷新感を求める若い候補者に敗れた例や保守分裂があった例など、敗因はそれぞれ異なるとの認識を示している。

自民党の鈴木俊一幹事長も20日の記者会見で、地方選での敗北要因を分析し次の選挙に備える考えを示している。従来路線の単なる延長では支持が集まりにくかった可能性があると指摘し、候補者擁立や訴求方法の見直しが課題になっている。

個別には、麻生太郎副総裁の選挙区である福岡県嘉麻市長選で、元市議の無所属新人、佐伯憲子氏が初当選した。自民、公明両党が推薦した無所属現職の赤間幸弘氏は4選を果たせなかった。滋賀県近江八幡市長選でも新人4人の争いとなり、元衆院議員の徳永久志氏が自民推薦の元県議、重田剛氏らを破って初当選している。

一方で、群馬県藤岡市長選では自民、公明推薦候補が無投票で再選した。ただ、全体としては推薦候補の敗北が目立ち、党内では地方組織の活動量低下への懸念も出ている。

高支持率と地方選結果のずれ

今回敗れた7市を含む小選挙区では、2月の衆院選でいずれも自民候補が当選していた。高市内閣への高い支持率が集票を後押しするとみられていたが、地方選では同じ構図が再現されていない。

日本経済新聞社とテレビ東京の3月27日から29日の世論調査では、内閣支持率は72%と高水準を維持している。それでも3月8日投開票の石川県知事選では、自民党推薦の馳浩氏が敗れ、首相が応援に入った選挙でも結果に結びつかなかった。

拓殖大の河村和徳教授は、高い内閣支持率にもかかわらず地方選で敗北が続く背景として、高市氏が初の女性首相として刷新感への期待を集め、国政では非自民票の受け皿になっている一方、地方では自民への批判票が野党側へ流れやすいと分析している。自民党幹部からも、有権者は国政と地方で投票行動を分けているとの見方が出ている。

国政選挙では外交・安全保障や財政運営が争点になりやすいのに対し、地方選では福祉や地域経済など暮らしに近い課題が重視される傾向がある。立憲民主党の水岡俊一代表は20日の記者会見で、今回の結果は全国的な流れとして注目すべきだと述べ、高市首相の人気はそのまま自民党への信頼や期待感を意味しないとの認識を示している。

高市早苗政権が、今夏に向けた「骨太方針」の策定を見据え、危機管理投資と成長投資を柱に新たな投資枠の創設など経済財政運営の議論を本格化させている点を、当サイトの先の記事で取り上げました。積極財政を掲げるだけでなく、財源の確保や政策の検証体制を含む説明責任が求められていることや、金利上昇時の国債利払い費増加が将来の財政運営の重荷になり得ることも整理しています。

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