厚労省、同一労働同一賃金指針を改正、短時間労働者への家族手当支給を明確化

厚労省、同一労働同一賃金指針を改正、短時間労働者への家族手当支給を明確化
家族手当明確化へ

非正規雇用が雇用者全体の4割を占めるなか、厚生労働省は正社員と非正規労働者の不合理な待遇差の是正に向けて制度運用を見直す。改正指針は2026年10月から適用し、継続的に働く短時間労働者らに正社員並みの家族手当を求める点を明確にする。

ハイライト

  • 厚生労働省は2024年6月28日、非正規労働者にも正社員と同等の家族・無事故・住宅手当支給を明記した同一労働同一賃金指針改正を発表。
  • 2025年の非正規労働者は約2130万人、賃金は正社員の67.4%にとどまり、待遇差縮小の流れが続くものの依然大きい。
  • 是正指導件数は2022年度144件から2024年度3653件へ急増し、企業には手当制度や労務管理の抜本的見直しが急務となっている。

改正指針の内容と適用時期

日本経済新聞が報じたところによると、厚生労働省は28日、「同一労働同一賃金制度」の指針を初めて改正し、不合理な待遇差に当たる事例と当たらない事例をこれまでより具体的に示す。全国の労働局は新たな指針を、企業への指導の目安として活用する。

改正では、労働契約の更新を繰り返し、継続的な勤務が見込まれる非正規労働者について、家族手当を正社員と同一に支給しなければならないと明記する。配送業者のドライバーに支払う無事故手当も、業務内容が同じであれば非正規に支給するよう促し、住宅手当についても転居を伴う配置変更の可能性が正社員と同じ場合は支給対象とするよう示す。

あわせて、不合理な待遇差の是正手段として正社員の手当や賃金を引き下げることは望ましくないと新たに記す。同省は、同一労働同一賃金の趣旨が非正規労働者の待遇改善にあると強調し、正社員の確保や定着だけを目的に待遇差を設けることも不合理と判断される可能性があるとしている。

企業対応と労務管理への影響

今回の見直しは、日本郵便の契約社員に各種手当を支給しないのは不合理とした2020年の最高裁判決などを踏まえたものだ。現行指針は大企業に2020年4月、中小企業に2021年4月から適用されており、施行から5年を経て運用の具体化が進む。

総務省の労働力調査によると、非正規労働者は2025年に約2130万人となり、30年で2倍超に増えた。厚労省の賃金構造基本統計調査では、2025年の非正規の平均賃金は正社員の67.4%にとどまり、待遇差は縮小傾向にあるものの依然として大きい。

同一労働同一賃金の指針違反に対する事業者への罰則は現時点でないが、順守しない場合は各地の労働局が是正を指導する。厚労省によると、是正指導件数は2022年度の144件から2023年度に2596件、2024年度に3653件へ急増しており、企業には手当制度や配置要件の見直しを含む労務管理の対応が一段と求められる。

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