日本、インド太平洋の経済安保連携を拡充

日本、インド太平洋の経済安保連携を拡充
経済安保連携を拡充

日本政府はインド太平洋地域で、経済安全保障を軸に協力の枠組みを広げる方針を示している。供給網、通商ルール、安全保障支援を一体で進め、地域の強靱性と自律性を高める狙いがある。

ハイライト

  • 高市早苗首相はベトナム演説でFOIPの進化形を発表し、エネルギーや重要鉱物の供給網強化など経済安全保障連携を重視すると表明。
  • 日本はベトナムの石油調達支援やTPP加盟手続きの早期推進、OSA活用による安全保障能力強化支援を具体策として提示。
  • FOIP強化は中国の影響力拡大やグローバルサウスの危機対応を意識し、日本がU.S.にも地域秩序安定へ積極関与を促す方針。

ベトナム演説で示した重点分野

日本経済新聞の社説では、高市早苗首相がベトナムでの外交演説で「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の発展形を打ち出し、経済安全保障を柱に域内連携を深める考えを示したと論じている。構想の重点分野には、エネルギーや重要鉱物の供給網強化、経済フロンティアの共創とルール共有、安全保障協力の推進が含まれる。

本文では、FOIPが主権や領土の一体性の尊重、法の支配を重視する原則に基づく外交構想だと位置づけている。米国、インド、ASEANなどの理解や賛同を得てきた枠組みとして、中国の海洋進出や経済的威圧を念頭に、地域の安定に資する取り組みだと評価している。

ベトナムのレ・ミン・フン首相との会談では、エネルギー分野の具体策として同国の石油調達支援を伝えた。通商面では環太平洋経済連携協定(TPP)について、戦略的に重要な国々の加盟手続きの早期開始を目指し、安全保障面では政府安全保障能力強化支援(OSA)の活用を掲げている。

地域安定と対米関与の課題

社説は、FOIPの更新がこの10年の国際情勢の変化を踏まえた対応だとみている。中国は「一帯一路」などを通じて広範な地域に影響力を広げており、ウクライナ戦争やイラン情勢の混迷も重なって、グローバルサウスの国々はエネルギー高騰や食料危機に直面している。

こうした環境下で、各国の需要に応じて経済安保分野の支援や連携を進めることは適切だと主張している。あわせて、こうした取り組みはU.S.を地域につなぎ留めるうえでも有益だとする一方、イラン攻撃や関税を用いた威圧のように、U.S.自身が秩序の混乱を広げている面にも言及している。

そのうえで、日本にはインド太平洋の秩序安定に向け、U.S.が建設的な役割を果たすよう粘り強く働きかけることも求められるとしている。

当社の以前の記事では、日本とベトナム首脳会談を受けて、原油やレアアースなど重要鉱物の安定確保で両国が連携を深める方針を整理しました。ニソン製油所の原油調達をNEXIが支援する「パワー・アジア」初案件や、AZECを通じた脱炭素案件の推進など、資源確保と経済安全保障を同時に進める枠組みが焦点でした。

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