日本の個人投資家、イベント投資で市場のゆがみを収益機会に

日本の個人投資家、イベント投資で市場のゆがみを収益機会に
イベント投資で利益化

日本株市場では、企業再編や指数入れ替え、公募増資など特定の出来事に伴う需給のゆがみを狙うイベント投資が個人投資家の手法として注目を集めている。日経マネーの連載では、30年以上にわたり年間収支のマイナスがないとされる羽根英樹氏の事例を通じて、公開情報の検証を軸にした売買手法が紹介されている。

ハイライト

  • 羽根氏は指数構成銘柄の入れ替えや公募増資時の価格形成など需給の偏りを活用し、期待値重視で運用している。
  • 2020年前後の日立製作所グループによる日立化成や日立金属の切り離し過程で、TOB関連イベント投資が有効な利益機会となった。
  • TOBが増加する日本市場では、「公開情報の徹底調査」により、株価の歪みを捉えるイベント投資が注目されている。

期待値重視の売買手法

日経マネーによると、羽根氏は相場の方向感そのものを予想するのではなく、大衆心理や需給の偏りから期待値の高い局面を探すことに軸足を置いている。セミナーなどでも、ひらめきに頼るのではなく、確率論に基づいて優位性のある手を積み重ねる考え方を語っている。

同氏は学生時代に期待値の考え方に触れ、1990年代前半に約100万円を元手として商品先物取引を始めた。1995年に受けた「複雑なことは避け、単純なことから始める」「マクロのニュースに振り回されない」との助言を機に、投資スタイルの基礎を固めたという。

その後は商品先物から株式へ比重を移し、指数構成銘柄の入れ替えや株価急落後の反発、公募増資時の価格形成など、大きな売買が集中する局面を狙う手法を広げた。2000年代初頭のITバブル崩壊や2008年のリーマン・ショックの局面でも、株価を追いかけない姿勢が損失抑制につながったとされる。

TOB拡大が投資機会に

足元では、TOB、株式公開買い付けに関連したイベント投資が主な対象になっている。記事では、企業買収や親子上場の解消を目的としたTOBが増え、価格のひずみを捉える余地が広がっていると説明している。

具体例として、2012年のソフトバンク、現ソフトバンクグループによるイー・アクセス買収では、株式交換比率の変更によって株価が買収価格を下回る局面を収益化したという。2020年前後には、日立製作所グループが日立化成、現レゾナック・ホールディングス傘下や日立金属、現プロテリアルなどを切り離す過程でもTOB関連の売買で利益を上げたとされる。

日立金属の事例では、2020年8月の売却方針報道から2021年4月の正式なTOB発表まで、株価変動に応じて売買を重ね、発表時に全て売却したという。こうした手法の前提として、裏付けのない情報を避け、公開情報を徹底的に調査、検証する姿勢が収益機会の見極めに直結している。

当社の以前の記事では、相場急変時に売られ過ぎた銘柄を拾う「割安株投資」に注目し、ハンドルネーム「かぶ1000」氏の運用スタンスを整理しました。財務諸表や換金性資産と時価総額の乖離を手がかりに、企業価値に比べて過度に下落した銘柄を選別し、相場安定後の価格修正で利益確定を狙う考え方が軸となっています。

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